アメリカザリガニのようでアメリカザリガニに非ず、ケイブ・クレイフィッシュという名のザリガニをご存知でしょうか?

ケイブ・クレイフィッシュの特徴

ケイブ・クレイフィッシュはアメリカの洞窟に生息している体長5~10㎝の白く透明な体をしたザリガニです。

体長も格好もアメリカザリガニと同じ位なのですが、大きく違うのはハサミの先端から尾の先まですべてが透明であるということ。

 

そう、アメリカザリガニのアルビノ版!?ともいえるザリガニなんです。

ケイブ・クレイフィッシュ、紫外線の当たらないところにいるので紫外線を防ぐメラニン色素を作る必要がなく、透明に進化したというわけ。

 

その結果極端に光に弱く、弱い光の下でも火傷をしてしまうのだそう。

体が透明なので光が体を貫通して、内臓にダメージを与えてしまうことも。

 

つまり、光のあるところでは生きていけないということ。

もう一つ違う点は、目が退化してしまっているということ。

洞窟の中では物を見る必要がなく、その代わり触角が目の役割をしているのだとか。

視覚の退化とエネルギーの関係

ある実験によると、ものを見るという視覚に関するエネルギーは、視覚があるのとないのとでは15%ほど違うのだとか。

洞窟という閉ざされた暗闇の中ではプランクトンもおらず、酸素濃度も乏しくなっている。

 

そんなエサの乏しい環境で生き抜くために、視覚を放棄することでエネルギーの消費量を減らし、代謝を抑えているというのが洞窟などに生息するように進化した生物に比較的共通して言えることのよう。

 

代謝を抑えた結果、ケイブ・クレイフィッシュの成長速度は極端に遅く、性成熟するのに100年もの歳月がかかるのだとか・・・・

寿命は100年以上で、現在までの記録では175年生きた個体がいるそう。

アメリカザリガニの寿命が10年ということを考えると、これは恐ろしく長寿ということになるわけです。

ちなみに…日本のザリガニは?

ちなみに、日本の生息しているザリガニはアメリカザリガニとニホンザリガニ、ウチダザリガニの3種類。

アメリカザリガニは外来種ですが、現在ではアメリカザリガニ方が圧倒的に数が多くなっています。

 

ニホンザリガニは体色が暗褐色で、アメリカザリガニに比べると丸みを帯びた体をしています。

ハサミも丸く、低水温を好むので、北海道や東北地方などの寒い地域に生息しています。

寿命は5~10年ほど。

ニホンザリガニよりも圧倒的に繁殖力の高いアメリカザリガニ。

1927年に食用ガエルのエサとして日本に持ち込まれたのが最初と言われています。

 

その後、雑食性ということもあり、爆発的に数が増えました。

体長はニホンザリガニの2倍ほどもある12~14㎝。

真っ赤なハサミが特徴的です。

 

もう一種類、北海道や福島、そのほかの涼しい地域に生息しているウチダザリガニ。

このザリガニはアメリカザリガニよりも更に大きく15㎝ほど。

 

雑食性で、共食いなども良くするのだそう。

高級食材で使われるヨーロッパザリガニの代用品としても使われているそうです。

 

繁殖期は10月で一度の100~500個の卵を産みます。寿命は10年ほど。

天敵はナマズ、ウナギ、イトウ、サギ等。

ケイブ・クレイフィッシュのまとめ

ケイブ・クレイフィッシュはアメリカ原産の洞窟に生息する透明なザリガニ。

体がスケスケで、お腹側からは内臓が見える程。

 

光が嫌いで、弱い光でも火傷をしてしまうので、光の中では生きていけない。

目が退化し、その代わり触角が目の役割を担っている。

 

普段はエネルギーを使わない生活をしていて、成長が遅く、性成熟するまでに100年かかる。

寿命は175年という記録があり、アメリザリガニと比べると10倍以上長生きする。

(ライター ナオ)