オニキンメは、条鰭綱・キンメダイ目に属する深海魚です。
ゲームが好きなおじさんたちには、ダライアス外伝のAゾーンのボス「ゴールデンオーガ」、あるいはV’ゾーンの最終ボス「ストームコーザー」といったほうが馴染みがあるかもしれません。
ここではそんなオニキンメについて紹介します。
オニキンメの生態
オニキンメは、条鰭綱・キンメダイ目・オニキンメ科の深海魚です。
日本では、東北地方から北海道までの太平洋、水深900メートルあたりに分布しています。
上アゴに3本、下アゴに4本の犬歯があり、口は非常に大きく、頭の後端付近まで開きます。
また、オニキンメは側線が発達しており、開いた溝の中を走行します。
背ビレは16~20軟条、臀ビレは7~9軟条、胸ビレは13~16軟条、腹ビレは7軟条です。脊椎骨数はおよそ25~28です。
幼魚には、うきぶくろや長い鰓耙(さいは)がありますが、これらは成魚では縮小します。
鰓耙(さいは)とは……魚類の鰓(えら)の一部で、口から吸い込んだものを固形物(餌や小石などの異物)と水とに分離する濾過器官。《出典:デジタル大辞泉・小学館》
オニキンメの生息域
オニキンメの分布域は、ほぼ全世界の外洋です。幼魚は表層でプランクトンとして生活しますが、成魚になると、水深500~3000メートルの深海に生息します。
オニキンメの名前の由来
オニキンメの名前は、幼魚にある角状の突起に由来します。
ちなみに、この角状の突起は成長するとなくなります。
オニキンメの顔の特徴
オニキンメは、幼魚のうちは、色が「うす桃色」で目が大きいといった感じで、キンメダイ科の特徴の多くを有しています。
それが成魚になると、漆黒となり、異様な風貌になってしまいます。
オニキンメは、成魚になると長大な牙を持ちます。
この長く鋭利な歯は、上下に片側3~4個あります。
深海で捕らえた獲物に牙を突き立て、相手を逃がさないようになっているのです。
が、しかし。
牙があまりにも長く伸びすぎたために、その構造上、口を閉じることができません。
というわけで、オニキンメの頭部は体の1/3にも及び、硬い骨盤状であることもあわさり、厳つく異様なヴィジュアルとなっているのです。
オニキンメの食性
オニキンメの幼魚は甲殻類を捕食します。
成魚は魚類を捕食します。
ちなみに、マグロやカジキなどに捕食されます。
オニキンメの益害
オニキンメは成魚になると、水深500~3000メートルの深海に生息するようになります。そのため人に危害を加える機会はまずありません。
ちなみにオニキンメは、金目鯛の仲間なので、食べると非常に美味しいそうです。
ただし、滅多に水揚げされませんので、スーパーなどで見かけることはほとんどないと思われます。
オニキンメの人間との関り
オニキンメの幼魚がサメの胃袋から発見されたのは1833年で、成魚が報告されたのは51年後の1884年でした。見た目があまりにも違うため、しばらく同じ種だとは思われていませんでした。
幼魚の名前は、アノプロガスター・コルヌタ。一方、成魚はカウロレピウス・ロンギデンスです。分類学では、先に付けられた学名が優先されるので、オニキンメの学名は、幼魚のアノプロガスター・コルヌタになりました。
ちなみにコルヌタとは、角のこと。
幼魚にあった角が、成魚にはありませんが、それでもアノプロガスター・コルヌタの名で今でも呼ばれています。
オニキンメのまとめ
以上、オニキンメについていかがでしたか?
オニキンメといえば、ダライアス外伝のゴールデンオーガ。この敵との対決前に無計画に攻撃アイテムを取っていると、自機のショットが弱いレーザーのみになってしまうので、当時はアイテムを取りすぎないよう苦心したものです。
ちなみに、ゴールデンオーガは、オニキンメと同様に口を閉じることができません。というわけで、弱点が露出したまんまなので攻略は容易でしたが、その特徴が元ネタのオニキンメに忠実だったことを今さら知って、ただただ畏敬の念をおぼえるばかりです。
オニキンメをもしスーパーなどで見かけたら、食してみたいと思います。
(ライター ジュン)