鯨たちの餌として有名なオキアミ。釣りをする方にもお馴染みの生物ですが、このオキアミってエビとどう違うの?という疑問を持っている人はいませんか?

今回はそんなオキアミとエビの違いについて詳しくお話します。

オキアミってそもそも何?

オキアミは軟甲網真軟甲亜鋼ホンエビ上目オキアミ目に属する甲殻類の総称です。

形態や体長はとてもエビに似ていますが、胸肢の付け根に鰓が露出していることが特徴です。

 

オキアミ科とソコオキアミ科のオキアミ類の総称で、一般的に日本で流通しているのは三陸沖などで漁獲されるツノナシオキアミです。

一方ヒゲクジラ類の餌となっているのは南極海に生息するナンキョクオキアミという種類。

紛らわしいですが、塩辛などの食品として売られているのものはアキアミというエビの一種になります。

オキアミの特徴と生態

オキアミは外見を見るとエビ類にそっくりですが頭胸部は背甲に覆われ、腹部と尾節からなります。

胸部には8節あり、それぞれに付属肢があります。

 

エビの場合は前3対の脚が顎肢となって発達するのに対してオキアミの場合は第2、3節が鋏脚になったり、最後の1,2対が退化してしまったりします。

雌雄異体でオスはメスの第6胸脚の基部にある生殖孔に精胞をつけ、精子はここに侵入して一時的に貯精嚢に蓄えられます。受精卵は普通そのまま海中に放出されます。

大部分は外洋の表層から中心層を遊泳するプランクトンで、多くの種類が幼生時は表層で生活し、成熟に連れて次第に深いところへ移動する傾向にあります。

オキアミの利用

オキアミは未加工やフリーズドライ加工、または粉末で販売されます。

養殖漁業の飼料や釣り餌、観賞魚の餌などに利用されていて、魚の耐病性工場や観賞魚の体色の発色工場などの効果があり人気です。

 

日本では70年代に釣り餌の撒き餌として導入されたのが初めで、黒鯛やメジナ、サビキ釣りの方法に革命を起こしました。

また、タンパク質やビタミン類を多く含んでいるので魚肉ソーセージなど加工食品の原料になり、朝鮮ではキムチの発酵に使われています。

エビの特徴と生態

オキアミとよく間違われやすいのがアキアミやサクラエビです。

アキアミはサクラエビ科に分類されるエビの一種で、日本を含む東南アジアの内湾行に生息している小型のエビです。こちらはオキアミ同様釣り餌などに利用されますが、食用としても食べられています。

サクラエビもまたサクラエビに属しますが、深海に生息しています。日本でサクラエビの生息地は東京湾、相模湾、駿河湾の三海域のみでその中でも水揚げが許可されているのは駿河湾の由比と大井川漁港のみ。

アキアミの特徴と生態

体長はオスが11~24㎜、メスが15~30㎜で体は前後に細長く、生きている時は体がほぼ透明ですが、尾扇に赤い斑点が2つあるのが特徴で、死んだ個体は濁ったピンク色になります。

 

5対ある歩脚のうちの4,5歩脚が退化していて、残りの3対はどれも鋏脚です。

アキアミは春に発生して夏に産卵して一生を終える夏世代と秋から春まで越冬する越冬世代がいて、それぞれ寿命が異なります。

メスが産んだ受精卵は数時間で孵化し、夏世代では2~3ヵ月程、冬世代は9~10ヵ月ほど生きることができます。

サクラエビの特徴と生態

サクラエビの体長は40㎜前後です。体は透明ですが甲に赤い色素が多く、生態は透き通ったピンク色をしています。

アキアミと同じく、第2.、3歩脚が鋏脚になっており、第4,5歩脚は短いのが特徴です。

 

産卵期は夏、メスは交尾後に1700~2300個程度の卵を海中に放出します。

寿命は15ヵ月ほどで孵化後1年で成熟し、産卵後2~3か月で死にます。

オキアミとアキアミの違い

オキアミとアキアミはまず大きさが違います。オキアミの方が大きいので水に浮かべた時に沈んでいく速度が違います。

歩脚の形状も違っていて、オキアミには鋏脚がありません。

また、臭いを嗅ぐと、臭いも両者では全く違っています。アミエビはとても臭いですがオキアミはほとんど臭いがしません。

オキアミとサクラエビの違い

サクラエビとオキアミの違いは原産地と形と色、また、価格や味も違います。

サクラエビの水揚げは100%駿河湾で行われます。

 

また、サクラエビには鬚がありますが、オキアミにはありません。

また、オキアミにはサクラエビにある発光器もありません。

 

オキアミは水揚げ後に赤みが残りますが古くなると白っぽくなります。

サクラエビは100g数千円程します。味も良く、甘みがあり、旨味も高く出汁も良くとれます。

(ライター ナオ)