子供の頃、小学校の教室にいたメダカを記憶している人も多いのではないでしょうか?

教材としても馴染みの深い、メダカの生態についてのお話です。

メダカの生態

私たちが良く言う、メダカはニホンメダカのこと。

ダツ目メダカ科に属する魚で、キタノメダカとミナミメダカの2種類の総称でもあります。

 

観賞用に品種改良されたヒメダカなどを含めることもあります。

体長は3.5㎝ほどで淡水魚。

 

体のわりに目が大きく、頭部の上端から飛び出していることが、名前の由来にもなっています。

日本、台湾、朝鮮半島、中国などに分布し、イラン、トルクメニスタン、北アメリカの一部の地域にも移入されています。

 

日本では本州から琉球列島にかけて分布し、北海道の一部の地域にも移入され、分布が確認されています。

背ビレがかなり後ろの位置、腹ビレの前端より後ろについています。

 

腹ビレは前後に長く、オスの背ビレの膜には欠けている部分があるのですが、メスにはありません。

流れのゆるい小川や水路などに生息し、プランクトンなどを食べて生活しています。

 

蚊の幼虫であるボウフラを特に好んで食すため。ボウフラを退治する益魚としても知られています。

繁殖期は春から夏にかけてで、1回の産卵でメスは約10個の卵を産みます。

 

卵の大きさは1~1.5㎜程。淡黄色で卵の表面には細かい毛が生えています。

メダカの産卵時期は水田に水が張られる時期と一致しており、日本の稲作文化の象徴的な魚とも言えます。

 

腎機能が発達していて、耐塩性が高いので、慣れさせれば海水で生活することも可能なのだとか。

また、仲間を見分ける時に顔の視覚情報を利用しているそうで、哺乳類と同様の能力を持っているという一面もあります。

日本人とメダカの関係

メダカは明治時代以来、生物学の研究者たちにとってモデル生物になってきました。

海外でも「medaka」の言葉が使われる程、生物学界では一般的。

 

その理由としては、かつて日本全国に分布していて、入手が容易だったこと。

耐寒性と耐塩性があり、丈夫であること。

 

飼育費用が安価で周年繁殖が容易なことが挙げられます。

また、卵と肺の体が透明な為、発生の観察にとても適しているということも重要なポイントです。

 

新潟県の一部の地域ではメダカを佃煮にして冬場の蛋白源として保存食にしているところや、みそ汁の具材として使われていたこともあるのだとか。

愛知県ではメダカを生きたまま飲み込むと婦人病に効くとの伝承もあったらしく、とにかく日本人にとっては古くからとても馴染みのある魚だということは確かなようです。

 

メダカの体色は野生型では淡い黄色を帯びる灰褐色ですが、突然変異型では黒色、黄色、白色、虹色の4種類が混ざり合って、独特な色調を示します。

生息環境の変化から1999年には環境庁が発表したレッドリストに絶滅危惧種Ⅱ類として名前を連ね、その後日本各地で保護活動が行われるようになっています。

メダカの寿命

メダカはもともと丈夫な魚ですから、野生の状態や多少荒い飼い方をしても、寿命は1年~1年数か月ほどと言われています。

しかし、きちんとした人工的な飼育下ではもう少し長生きするものもいるようで、3~5年程生きるのだそうです。

メダカのまとめ

メダカはダツ目メダカ科に属する魚。

日本では田んぼの水張と共に現れることから、日本の稲作文化の象徴的な魚。

 

繁殖期は春から夏にかけてで、1回の産卵でメスは約10個の卵を産む。

明治時代以来、生物学の研究者たちにとってモデル生物になってきた。

 

1999年には環境庁が発表したレッドリストに絶滅危惧種Ⅱ類に指定されている。

メダカを食用として食べていた地域もある。

メダカの寿命は1年~1年数か月ほど。長いものでは3~5年程あると言われている。

(ライター ナオ)