どこか可愛らしく、愛嬌のある魚、マンボウ。
水族管などでは大きな体で悠々と泳ぎまわっていますが、彼らの寿命が一体どれくらいかご存知でしょうか?
マンボウの生態
マンボウはフグ目マンボウ科の一種。
巨体と独特の体型が特徴の海水魚です。
最大全長は333㎝、体重は2.3tで、世界最大の硬骨魚の一つとも言えます。
体は側面から見ると円盤型、正面から見ると紡錘形をしています、
背ビレと尾ビレは長く発達していて、体の後部から上下に付きだいますが、多くの魚が持つ尾びれと腹ビレは持っていません。
泳ぐときには背ビレと尻ビレの動きを合わせて羽ばたくように動かしながら進みます。
小さな口と鳥のくちばしのような板状の歯、小さな穴状のエラ穴を持っていて、腹ビレと鋤骨は持っていません。
皮膚は分厚く、粘液で覆われていて、ものすごい数の寄生虫が付着しています。
全世界の熱帯・温帯の海に広く分布していて、表層から深海まで泳ぎ回っていることがわかりました。
海上に見せる彼らの姿は生態の一部。生活の25%程度の時間を表層で過ごしているものがいるかと思えば、別の個体は水深200m以深にいる時間が長いという結果も出ており、詳しい生態に関してはまだ明らかになっていません。
クラゲや動物プランクトンを食べていて、他には深海性のイカやエビなども捕食していると考えられています。
マンボウは実は海流に逆らって移動するだけの遊泳力を持っており、一見ただ流されているだけのように思われがちですが、しっかりと意思を持って泳いでいることがわかっています。
時折海面に体を横たえた状態のマンボウの姿を見ることがありますが、これは体についた寄生虫を小型の魚やカモメなどの海鳥にとってもらうためや、深海で冷えた体を温めるため、また日光浴による殺菌が目的ではないかと言われています。
マンボウのメスが一度に産む卵の数は約3億個と言われており、最も多く卵を産む脊椎動物とされています。
卵は海中を浮遊しながら発生するので、そのほとんどが他の動物に食べられていしまい、孵化できるのはごくわずか。
稚魚は成魚とは全く違う、金平糖のような形をしています。
金平糖のような棘は成長と共に短くなり、マンボウの形になっていきます。
若いうちは群れを作って泳いでいることも確認されています。
人間とマンボウの関係
商業的に食用として出回ることは少ないマンボウですが、日本の一部の地域では食用にしているところもあるそうです。
鮮度が落ちやすく、特有な臭いを放ち、水っぽくなるのが特徴で、冷蔵や冷凍技術が発達する前は扱われていなかった魚でもあります。
マンボウの飼育
マンボウは日本の水族館でもいくつか見られるところがあります。
海遊館、鴨川シーワールド、名古屋港水族かんなどですが、飼育はとても難しいそうです。
泳ぎがあまり得意ではないため、自ら水槽の壁に体をぶつけて、弱っていってしまうのだとか。
寄生虫が多いことなども理由に挙げられるのだとか。
飼育下でのエサやりは、水面に顔を出した時にエビのミンチなどを直接口に入れてやる方式が良いよう。
国内での記録はマリンピア松島水族館の1379日が飼育下の最長飼育期間なのだとか。
マンボウの寿命
マンボウの寿命は10年ほどではないかと言われています。
確かなことはわかっておらず、近縁種のやりマンボウから推測したものなのだとか。
飼育下ではもっと少ないことが通例です。
マンボウのまとめ
マンボウはフグ目マンボウ科の一種。
最大全長は333㎝、体重は2.3tで、世界最大の硬骨魚
マンボウのメスが一度に産む卵の数は約3億個と言われており、最も多く卵を産む脊椎動物
マンボウの寿命は10年ほど
国内での記録はマリンピア松島水族館の1379日が飼育日数としての最長。
(ライター ナオ)