原始的な形をしているカブトエビ。

どこか魅力的な生物たちですが、彼らの寿命は一体どれくらいなのでしょう?

やはり、古代からの形を変えずに来ているということは、それなりに長生きなのでしょうか?

カブトエビの生態と寿命

カブトエビは鰓脚鋼葉脚亜鋼背甲目カブトエビ科に分類される甲殻類の総称で、淡水生の原始的な小型の甲殻類です。

日本国内に生息しているのはアメリカカブトエビ、ヨーロッパカブトエビ、アジアカブトエビの3種類で、それぞれ関東以西、山形県と長野県、鳥取、近畿地方に分布しています。

このうちアジアカブトエビだけが在来種と考えられています。

日本では6~7月にかけて水田などに大量発生することが知られ、水田への抽水が始まると10時間後には孵化が始まります。

 

孵化からは10日ほどで産卵を行うという速いサイクル。

水田の水を抜くころには泥の中に卵が残っている状態ですが、卵は乾燥に強く田んぼの環境に適応していると言われています。

 

体長は2~3㎝ほどで、頭部の形状はカブトガニに似ています。

丸い背甲の裏面には多くの脚がありますが、歩行に適した脚ではなく、鰓状のエラ脚です。

 

食性は雑食で、泥の中の動植物の遺体や破片、小型の藻などをプランクトンや泥一緒に捕食します。

カブトエビの種類は甲殻類の中でも古い形質を残したタイプと考えられていて、文化下当時から現在までほぼ同じ姿を保ち続けている「生きた化石」的存在。

 

その象徴的存在が、ソープリウス眼と言われる目の間にある三つ目の眼。

簡単な明暗を感じる器官で多くの種類は成長と共に退化していくのだが、カブトエビには最後まで残っている。

 

カブトエビは成長と共に何度か脱皮を繰り返しますが、その方法は意外に激しく、自分の体一つで必死に皮を脱ごうとします。

身体を上下にくねらせ、気が狂ったかのように四方八方に猛スピードで泳ぎながら宙返りをすることもあります。甲殻の周囲が上下に割れて開くようになると、隙間から頭後出て、その隙間に水が入り殻を脱ぎやすくするために、更に泳ぎ回ります。

 

頭に続いて腹部、そして最後に尾部を抜きます。

複雑な体ですが、全身の隅々まで皮を脱ぎ、身体が抜け殻に絡まないように殻から素早く離れます。

 

このような一連の行動をたった2~3秒の間にやってのけ、脱皮後はクタクタになって疲れているような状況です。

この脱皮を1日おきに、一生のうちに20回程行います。

カブトエビと人間のかかわり

カブトエビは水田の雑草を食べてくれる存在で、除草の役割を果たしています。

また、食べるだけでなく産卵のために水底の泥をかき混ぜることで水が濁り、雑草の発芽が抑えられたり、生長を妨げたりする役割を持っているので、田んぼの草取り虫と言われることもあります。

 

除草を目的とした場合は生存期間の最も長いアジアカブトエビが最適とされる研究もあります。

乾燥した卵を水につけて1~数日のうちに孵化するという方法でアメリカカブトエビは飼育されることも多い種類です。

学研の「科学と学習」の付録には毎年、このカブトエビのセットがついていたりします。

カブトエビの寿命

カブトエビの寿命は1か月ほどと言われています。

脱皮を繰り返し、1か月後には卵の袋が卵でいっぱいになると、産卵し、そして死んでいきます。

速いサイクルで次の世代へバトンタッチする「生きた化石」です。

カブトエビの生態と寿命に関するまとめ

カブトエビは鰓脚鋼葉脚亜鋼背甲目カブトエビ科に分類される甲殻類の総称で、淡水生の原始的な小型の甲殻類。

日本国内に生息しているのはアメリカカブトエビ、ヨーロッパカブトエビ、アジアカブトエビの3種類。

カブトエビの寿命は約1か月。

(ライター ナオ)