今回は、魚類がもつと言われる「シガテラ毒」という毒についてご紹介いたします。
致死はしないけど、中毒にはなる毒?「シガテラ毒」
世界で毎年約2万人以上が中毒していると言われている「シガテラ毒」は、死ぬことはないと言われています。
「シガテラ毒」が発見されたのは、カリブ海です。
カリブ海でニシキウズガイ科のシガという巻貝(チャウダーガイ)に起因する食中毒だそうです。
発見された当初は、カリブ海で獲れた魚貝類によって食中毒が起こると考えられており、カリブ海で獲れた魚貝類は気を付けられていましたが、昨今ではカリブ海に限らず熱帯や亜熱帯海域のサンゴ礁周辺に生息している魚たちによって起こることが発見されました。
どれくらい強い毒があるの?「シガテラ毒」の特徴について
シガテラ毒によって起こる食中毒は、食後30分から数時間ほど、消化器、循環器、神経系に異常(下痢、しびれ、めまい、血圧低下など)がみられます。
また、知覚の異常としてドライアイスセンセーションというものを発症します。
ドライアイスセンセーションは、常温・暖かいものなどに触れたときに電気ショックを受けたように感じる症状で、ドライアイスに触れたときのような感じをイメージしてそう呼ばれます。逆に、コールドセンセーショナルリバーサルという熱いものを冷たく感じる症状がおきます。
ほかにも、関節・筋肉が痛むだけではなく運動障害や、かゆみなども併発します。
ただ、死ぬ確率は低いことが特徴です。また一度中毒になると過敏になり商状が重くなったり、食べた魚貝類の種類によって異なったりすることも特徴的です。
日本でも発見される?シガテラ毒
カリブ海だけではなく、太平洋やインド洋などでも発見されるシガテラ毒ですが、日本にいる魚では300~500以上もの種類がいると考えられています。
ウツボ科のドクウツボ、ハタ科のマダラハタ・バラハタ、カマス科のオンカマス(別名:ドクカマス)、フエダイ:イッテンフエダイ・バラクエダイ(中毒が多いそうです。)、ニザダイ科のサザナミハギ、その他カンパチ、ヒラマサ、イシガキダイなどでも起こることがあるそうです。
有毒部位は、肝臓や他内蔵部、筋肉などに潜んでいます。
気を付けること
シガテラ毒は、加熱しても除去されません。
治療法なども確立はされていないので、薬の処方によって治療が施されるそうです。
中毒として起きた症状それぞれに応じた薬を用いての治療になりますので、例えば痒みがある場合は、抗ヒスタミン薬でかゆみを抑えたり、循環器の異常などが見られる場合は、硫酸アトロピンという薬で治療をします。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
シガテラ毒は、未だ詳しくは解明されていない毒の為、日本内でも今後気を付けていかなくてはならないものであることには違いありません。
生態系の関係、地球環境にも左右されますので、仮に魚貝類を食した際に、少しでも異常があったり、食中毒を発症したり、シガテラ毒だけを意識せずにまずは病院にかかってください。
個人の判断で過信、まだ軽率な行動は死に繋がったり、身体的にあまりよくない症状に発展したりする場合もありますので、必ず病院で医師の指示・治療を受けてください。
(一般的に、魚貝類の流通において様々な検査等厳しくされているので、神経質になる必要はありません。)
(ライター:Teyo)