きれいな川に生息している「サワガニ」。
日本では昔から「さるかに合戦」などの物語にも登場する、身近な生き物です。
しかし近年では川の汚染や護岸工事などにより棲み家を奪われ、野生の個体を見かける機会は少なくなってしまいました。
その一方で、ペットとしてアクアテラリウムに導入する生き物として人気が出てきているのです。
さらに多くの人にその魅力を知ってもらうためにも、今回はサワガニの生態や寿命などについてまとめていきたいと思います。
サワガニの生態・寿命
サワガニは日本の固有種であり、本州からトカラ列島まで生息。
名前の通りきれいな沢を棲み家としており、一生を淡水域で暮らします。
水のきれいな場所でないと生きられないので、現在ではその姿を見ようと思うと、それなりに上流まで行かないといけません。
大きさは甲幅2~3cmほどで、色は黒褐色、朱色、紫がかったもの、青白いものなど地域によっても様々です。
雌雄で明確な違いがあり、オスは左右どちらか(主に右)のハサミが大きくなっているのに対し、メスはどちらも同じくらいの大きさ。
また、裏返してみるとお腹の部分が三角形なのがオス、半円状なのがメスです。
雑食性で藻類、昆虫、ミミズなど様々なものを餌としますが、逆に天敵も多くカエル、鳥類、イタチ、イノシシなどにも捕食されます。
サワガニの寿命は10年ほどですが、その寿命を全うできるものは数少なく、大抵は捕食されたり脱皮に失敗したりして命を落とします。
しかしうまくいけば10年も生きるというのは、少し意外ですね。
せいぜい2~3年くらいかなと思っていたので。
これなら、ペットとしても十分飼い応えがありますね!
サワガニを手に入れるには?
サワガニを手に入れるためには、3つの方法が挙げられます。
まずは、自力で採集する方法。
水がきれいで水流の穏やかな川で、岩陰や石の裏側などを探してみましょう。
次に、ペット用として販売されているものを購入する方法。
ペットショップやホームセンターなどで一匹数百円で販売されています。
サワガニをペットとして長期間大事に育てたいと思うなら、この方法が最もおすすめですよ。
最後は、食用として売られているものを購入する方法です。
サワガニは食用としてもよく利用されているので、スーパーなどで生きたままパッキングされていることもしばしば。
こちらは一匹数十円程と安価で購入できるというメリットがある分、多くの場合は少なくとも10匹以上のまとめ売りであるというデメリットもありますし、弱ったり欠損があったりするケースも多くあります。
もちろん総合的な寿命も短いと思ってください。
どの方法で手に入れるかは、長期的に飼うのか、短期的に観察したいだけなのか…目的によって変えるのが良いでしょう。
サワガニ飼育の注意点
サワガニは、素人でも簡単に飼育することができます。
しかし、いくつか気を付けなければならないポイントも。
その一つが、「水質」です。
サワガニはきれいな水を好むので、週に1~2回は水換えを行ってあげましょう。
水は水道水で大丈夫ですが、カルキ抜きをしてから使ってください。
次に気を付けなければならないのは「温度」。
特に夏の暑さには弱く、水温が30度を超えるとすぐに死んでしまいます。
大体28度前後をキープできるように、直射日光には当てない、風当たりの良い場所に置くということを徹底してください。
また、自然界では冬になると冬眠をしますが、やはり冬眠がそのまま永眠になってしまう個体も多いようです。
確実に冬を越させたい場合は、温度管理をして冬眠をさせないようにしたほうがいいでしょう。
そして最後に、複数飼いには注意が必要です。
サワガニは密集するとストレスを溜めやすく、共食いや喧嘩の原因となるのです。
できれば一つの飼育ケースに一匹、多くても二匹にとどめておくのが良いでしょう。
サワガニについてのまとめ
サワガニは食べて良し、飼って良し。
私たちにとって身近な生き物なので、今一度園魅力について再確認してみてください!
飼育もそう難しくはないですし簡単に始められるので、もし見かけることがあれば飼育にチャレンジしてみるのもいいかもしれませんね。
(ライター もんぷち)