プリップリで美味しいホタテ。
じつは「目」があることを知っていましたか?
一見「目玉」のようなものは見当たらないけれど、一体どこが目なんだろう…?
今回はそんなホタテについて、生態や目の特徴などをまとめてみました。
ホタテの生態
ホタテは国内では主に三陸海岸以北に分布している二枚貝の仲間。
冷たい水温を好むため、適正水温は5度~19度。
殻径は20cmになることもある大型の貝で、水深10~30メートルの砂地に生息しています。
漢字では「帆立」と書きますが、その名前の由来は帆立の動きから。
貝と言えばひっそりと砂地に潜ってあまり動かないというイメージが強いですが、ホタテは貝殻を勢いよく開閉しながら水中を飛ぶように動き回ります。
これが帆を立てて風邪を受けて動いているように見えることから、「帆立」と名付けられました。
餌は主にプランクトンで、天敵はヒトデやオオカミウオ、ミズダコなど。
いくら良く動くホタテと言えど、さすがに魚やタコに狙われたら逃げることはできません。
しかしヒトデが相手の時に限り、海水を勢いよく吹き出して逃げ切ることができるそうです。
ヒトデは素早く動けるイメージが全くないですからね。
ホタテは養殖もされているので、一年を通して食べることができます。
旬に関しては諸説あり、春先が旬だという人もいれば、冬が一番美味しいという人も。
しかし、産卵期前の1月頃が一番身が厚く旨みも増す、という認識が多いようですね。
ちなみに、生殖巣が白いのがオス、赤い(オレンジ)のがメスです。
生まれたてのホタテはすべてがオスで、2年目くらいから半分ほどがメスに性転換するんだとか。
味の違いはほとんどありません。
ホタテの目ってどこ?
ホタテの貝の中には、閉殻筋(貝柱)と外套膜(ヒモ)が存在します。
この外套膜の部分に、黒い小さな点々があるのを見たことはありませんか?
じつはこれがホタテの「目」なんです!
「えっ、あれ結構たくさんあるけど、一体いくつあるの…?」
その答えは「約80個」。
とんでもない数ですね。
多いものでは120個以上あるものもいるんだとか。
それだけ目があればさぞかしいろんなものが良く見えるのだろう…と思われそうですが、明るさの判別くらいしかできないそうです。
あんなにたくさんあるのに明るさしかわからないんだったら、別に1個2個でも良かったのでは?と思っちゃいますね。
1個の目で見える範囲は100度ほどらしいので、なおさら80個もいらないんじゃないか…という気分にさせられます。
まあしかし、逆に明るさ以外も色々見えているとなると、「目玉感」が強くなって、ちょっと気持ち悪くて食べたくなくなっちゃうかもしれません。
貝ヒモの佃煮やおつまみをパクパク食べていると、それだけで数百個から数千個の目を食べてるってことになりますもんね。
ホタテの貝柱はなぜ大きい?
アサリや牡蠣など、他の身近な貝類の貝柱って、とても小さいですよね。
とてもメインで食べられるような大きさではありません。
しかしホタテに限っては「貝柱=ホタテのこと」と勘違いする人がいるほど、大きな貝柱を持っています。
これは、ホタテが敵に襲われた際に泳いで逃げることが関係しています。
貝殻を大きく開閉するためには、強靭な筋力が必要となり、自然と貝柱も大きくなるのです。
貝柱には旨味がギュギュっと詰まっていて美味しいので、他の貝もホタテばりに貝柱が大きくなってくれたらいいのに…。
ホタテについてのまとめ
ホタテに目がたくさんあること、そしてそもそも目があること自体が驚きですよね。
もしあの目が全て人間と同レベルで見えるようになったとしたら、一体どんな景色が見えるのでしょうか。
少なくとも、ヒトデに襲われることはなくなりそうです。
(ライター もんぷち)