インターネットウミウシ、別の名前をオキナワヒオドシウミウシと言います。
このウミウシ、まるで模様がコンピューターネットワークの回線の様になっているところから名づけられたといのだから・・・
インターネットウミウシって?
白色で10数個の突起を頂点とした放射線状の茶色のはっきりとした模様のついているウミウシです。
茶色の無数に張り巡らせた回線のような模様が特徴です。
沖縄県やインドネシア、フィリピンなどに生息しています。
インターネットウミウシの生態
インターネットウミウシンは貝殻が縮小したり、埋没、消失している後鰓目に分類されます。
大きさは数㎜~2、30㎝と様々。触覚があり、2対または1対から分岐しています。
雌雄同体ですが、受精は異個体間で行います。相手の出す粘液を頼りに交尾の相手を探すのだとか。
産卵後1~2週間程度で孵化し、その後は浮遊生活を送るペリージャ幼生として何度かの脱皮を繰り返します。
でも、これほど無防備な体をしているのに、ウミウシは多くの種類が存在し、広い地域に繁殖しています。
その理由は防衛能力に優れているからのようで、例えば敵に襲われた時に自分の体の一部を切り離してしまう自切を行い、後に細胞を再生させる能力を身につけていたり、毒性のある植物を食べることによって、自分の体に毒を蓄えたり、派手な警告色をしていたり。
一見無防備に見えるその正体は実に計算されているというわけ。
インターネットウミウシの蓄えている毒
インターネットウミウシは防御のための毒を体内に蓄えていると書きましたが、その毒はエサにるものと考えられています。
ウミウシの種類は特定の毒性を持つ植物や動物を摂取することで、自分の身を守るという防衛手段をとっているものが多いようですが、そのエサの一つがカイメン(海綿動物)です。
彼らは多数の細菌と共生していて、その細菌の持つ毒がカイメンの中に蓄えられます。この時、細菌は毒性の弱い一つ前の段階の物質をカイメンの体内に入れ、カイメンが敵から攻撃されるなどの障害を受けると、その物質が毒性の強い物質に変わるという、カイメンに優しい共生を行っているのだそうです。
インターネットウミウシがどんな毒性のある生物をエサにしているのかは定かではありませんし、地域によって違いがあるかもしれませんが、ウミウシが存在できる理由はそんなところにもあるようです。
派手なのはインターネットウミウシだけじゃない!
インターネットウミウシを初めて見た人はとても驚きますが、ウミウシの仲間で驚くような警戒色!?をしているのはインターネットウミウシだけではありません!
例を挙げればきりがないのですが、日本で観察されたことのある種類でいえば、ピンクのグラデーションがきれいな「ヒロウミウシ」や、まるでドクガの幼虫のような「アオモウミウシ」。赤と紫のおしゃれな「クチナシツノザヤウミウシ」など。
また、抜群のネーミングが思わずツボに入って、笑ってしまう「シモフリカメサンウミウシ」、「イチゴミルクウミウシ」、「イチゴジャムウミウシ」等々。
こういう名前って、発見した人が名づけるのでしょ?もしかしたら、お堅い海洋生物学者が分厚い眼鏡を挙げながら発表するの!?と考えるとそれもまた笑ってしまいます。
こんなバリエーションに富んだウミウシの世界。世界中のウミウシを求めて回るマニアも少なくないのだとか。
難しいウミウシの飼育
カラフルで、熱帯魚よりも見ごたえのあるウミウシ。
飼育したいという願望にかられますが、とにかく飼育は難しいよう。
特定のエサを食べる習慣のあるウミウシは特に難易度が高いらしい。
水族館などで楽しむのが良さそうです!!
(ライター ナオ)
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