みなさんはウミウシという生き物を知っていますか?
一言で言えば、海にすんでいるナメクジみたいな見た目のやつです。
…と、こんな説明の仕方をしたら、ちょっと気持ち悪い生き物みたいに思えちゃいますね。
でもウミウシはナメクジとは違って、とてもカラフルで美しいものも多いんです。
もしかしたら、海水浴に行った時に見かけたことがある人もいるかもしれませんね。
私も子供のころ海水浴をしている時に見つけて、「ナメクジがいる!」と騒ぎまくった記憶があります。
(ナメクジ、嫌いなんです。)
そんなウミウシという生き物、一体どんな生き物なのでしょうか?
見た目からは何類なのか?どんなふうに生活しているのか?どうやって増えるのか?
全く想像がつきませんね。
というわけで、今回はウミウシについて調べてみました。
ウミウシって何?
ウミウシは実は貝の仲間なんです。
専門的な言い方をすれば、軟体動物門腹足綱に属する後鰓類。
…なんだこれは、中国語?
いやいや、ちゃんと日本語ですよ。
簡単に言えば、進化の過程で貝殻がなくなっちゃった巻貝の仲間ってことです。
貝とはいっても、ウミウシは毒があるものも多いので食べることはできません。
ウミウシの名の由来は、頭にある突起が、牛の角のようだからと言われています。
牛というよりはウサギのほうが近いような…。
もしウミウシの名前が「ウミウサギ」だったら、今よりもっと人気があったんじゃないかなと思います。
世界中の海に生息していて、その種類は3000を超えており、日本でも600種類以上確認されていると言われています。
そしてまだまだ名前のついていないウミウシも多いようなので、もしかしたら誰でも新種が発見できてしまうかも!
でもそんなに種類がいたら、新種なのかなんなのかまず判断がつきませんよね…。
まるで薔薇!美しすぎるウミウシの卵
ウミウシはとても神秘的な見た目をしていますが、実は繁殖の方法も神秘的なんですよ。
大抵の生き物は、オスの個体とメスの個体が別々に存在し、繁殖しますよね。
しかしウミウシは「雌雄同体」で、なんと一匹でオスとメスの役割両方を担うことができるんです。
つまり、同じウミウシにさえ出会えれば、オスメス関係なく交尾をして繁殖ができるということですね。
そしてそんなウミウシから生まれた卵。
これがまたとても美しい!
ウミウシの多くは渦巻き状の卵塊を産みますが、色も形も様々です。
ひも状のものや、ちょっと太めの筒状のようなものなど。
その中でもやはり一番美しいのが、「リボン状の卵塊」です。
ひらひらとしたリボン状の卵塊が渦巻き状に固まっている様子は、まさに「薔薇」!
色がピンクや黄色だとより薔薇に似ています。
ウミウシの卵だということを知らなければ、「あれ、海の中に花が咲いてる」と勘違いしてしまうでしょう。
卵塊によーく近づいて見てみると、中にはものすごく小さな卵が何千個、いや何万個と詰まっています。
これが全部ふかしたらとんでもない数のウミウシの誕生です。
しかし、無事に孵化したとしても、その中で生き残れるのはほんのわずかのようです。
その辺にいるウミウシも、何千、何万分の一の確率でそこにいるのだと思うと、なんだかとても尊い存在のような気がしてきますね。
「ウミウシの卵」まとめ
ウミウシは雌雄同体な上に、一度の交尾で複数回産卵ができるそうです。
パートナーを見つける苦労も半減、そして産卵のたびにパートナーを見つける必要も無し。
とっても便利で羨ましいですね。
もし人間が同じような生態だったら、人口が爆発的に増えそうです。
しかし自然の海の中では、どれだけたくさん卵を産んでも大きく育つのはほんの一握り。
自然の厳しさを思い知らされます。
(ライター名 もんぷち)
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