ガラパゴス諸島と言えば、赤道直下の暑い島。

ゾウガメやイグアナなど、いかにも熱帯!という感じの生き物がたくさん生息しています。

 

しかし、そんなガラパゴス諸島にペンギンが生息しているのを知っていましたか?

その名も「ガラパゴスペンギン」。

 

ペンギンと言えば、暑さとは無縁の南極などに棲んでいる生き物というイメージがかなり強いですよね。

ガラパゴスペンギンは暑い場所で生活していて平気なんでしょうか?

今回はそんなガラパゴスペンギンの生態や暑さに強い謎などについて詳しく調べてみました。

ガラパゴスペンギンの生態

ガラパゴスペンギンはガラパゴス諸島の固有種で、ペンギンの中では最も低緯度に生息する種類です。

季節によっては涼しい場所に移動するのかな?と思われがちですが、年間を通してガラパゴス諸島の海岸にとどまります。

体長は約53cmと、フンボルトペンギン属の中では最も小型。

顎の下にある黒い2本のラインが特徴です。

エサは小魚や甲殻類など。

 

エサが少ない時期には単独またはつがい、エサが多い時には20~200羽ほどの群れで採餌します。

昼行性で、昼間は基本的に海上で採餌をしており、陸上にも戻りますが海上にいることの方が多いようです。

潜水時間はおよそ30秒ほど、最長記録では79秒。

 

ガラパゴスペンギンは現在、人が持ち込んだ犬や猫などに捕食されてしまったこと、船舶事故による海洋汚染などによってその数は減少の一途を辿っており、絶滅危惧種に指定されています。

生息数減少の原因は他にもあり、観光客が訪れることによる撹乱、漁業による混獲なども原因の一つ。

また、「エルニーニョ現象」によっても数は変動、1999年時点での生息数は1200羽ほどとされています。

暑さに強い?

本来寒い地域に住んでいるはずのペンギンが、赤道直下の暑い場所で生活していて平気なのでしょうか。

熱中症か何かですぐにバテてしまいそうな気もするのですが…。

じつはガラパゴスペンギンは特別暑いさに強いというわけではなく、様々な工夫を凝らして暑さをしのいでいるのです。

まず、前述したように昼間は体を海水で冷やすために、主に海上で過ごします。

 

そして陸に上がった際にも、効率的に放熱できるような立ち方をするんですよ。

背を丸めて足に日が当たらないようにし、腕を横に広げて日陰を作ります。

そして日陰になった部分から、効率よく放熱を促すのです。

 

また、犬が舌を出して「ハッハッ」と呼吸をしながら放熱をするのと同じように、ガラパゴスペンギンも口を大きく開けて激しく呼吸をすることで、放熱を促す効果も。

巣も岩の割れ目など日陰になる場所に作るので、日除けはバッチリ。

 

他のペンギンが年に1度だけ羽が生え変わるのに対し、ガラパゴスペンギンは年に2回換羽します。

羽は海水の冷たさと輻射熱の暑さからガラパゴスペンギンを守ってくれており、寒冷地に住んでいるペンギンよりも羽の痛みが早いためです。

 

しかし、換羽中には体が冷えすぎてしまうので海には入れません。

そういう時にはどうやって体を暑さから守っているのでしょうか?

その答えは「脂肪」。

 

厚い脂肪の層が断熱材の役割を果たし、体温が上がりすぎるのを防いでくれるのです。

このように、ガラパゴスペンギンはじつに様々な方法を駆使して、ガラパゴス諸島という赤道直下で暮らしているのです。

わざわざそんなところに住まなくても…と少し思ってしまいますが、それを差し引いてもガラパゴスペンギンにとってガラパゴス諸島は魅力的な場所なのでしょうね。

ガラパゴスペンギンについてのまとめ

赤道直下でも暮らしていけるペンギンがいる…というのは、とても衝撃的ですよね。

今までのペンギンに対するイメージが覆りました。

 

誰に教えられたわけでもないのに、暑い地域でも生きていける術を持っているガラパゴスペンギン。

彼らの進化には感心するほかありませんね。

(ライター もんぷち)