みなさんは「シロワニ」という生き物を知っていますか?

名前からは「白い色をしたワニでしょ?」というイメージしか思い浮かびませんね。

 

しかし、じつはシロワニはワニではなく「サメ」なんです。

なぜそんな紛らわしい名前になったのか、その由来や生態などについてまとめてみました。

シロワニってどんな「サメ」?

シロワニは世界中の温帯・熱帯の海域に生息しており、日本近海でも確認されています。

体型は流線形ですが太くがっしりとしていて重量感があり、全長は約3m、体重は約150kgという大型のサメ。

 

歯は牙状で鋭く、見た目はまさに恐ろしい人食いザメのよう。

もしかしたら人間も襲ったりするのでしょうか?

その答えについては後述します。

 

最大の疑問はなぜシロ「ワニ」なのか、というところですね。

じつは大昔から日本では、サメのことをワニと呼んでいたのです。

 

日本には爬虫類のワニは当然いませんでしたから、唯一サメのことを指してワニと呼んでいたんですね。

その名残で、「白いワニ(サメ)」だから「シロワニ」。

 

由来が分かれば納得はできますが、やはり紛らわしいことに変わりはないので、そのうち改名してほしいものです。

出産方法は「卵胎生」で、母親のおなかの中で卵を孵し、ある程度の大きさになるまで育ててから出産します。

 

サメの中にはシロワニと同じように卵胎生のものは多くいますが、シロワニはその中でも「卵食型」に分類されます。

卵食型というのは、元々の黄身の栄養だけではなく、同じお腹の中にある未受精卵を食べて栄養とする方法。

 

しかもシロワニは未受精卵だけではなく、既に孵化した他の胎仔までも共食いをして食べてしまうという珍しいタイプなんだそうです。

まさに生まれた瞬間から生き残りをかけたバトルロワイヤル。

サメには子宮が二つあるため、それぞれで生き残った2匹だけが、無事に母親の胎内から生まれることができるのです。

シロワニは人を襲う?

大型で、見た目はいかにも「人食い」という感じのシロワニ。

生まれる前から共食いをする恐ろしいサメですし、果たして人を襲うことはあるのでしょうか。

 

じつはシロワニ、恐ろしい見た目に反してとても大人しい性格をしており、人を襲うことはほぼありません。

温厚な性格であることから、「巨大な子犬」と呼ばれることもあるほどです。

 

普段餌としているのは、サメやエイを含む魚類、甲殻類、頭足類などで、哺乳類など襲って食べるということは少ないそうですよ。

ダイバーたちにも人気のサメであり、一緒に遊泳したりすることもできるんだとか。

 

現在までに報告されている攻撃例は、たったの29件!そのうち死亡例は2件!

「なーんだ、じゃあ安心安心…って、死亡例もあるやないかい!」

 

基本的には温厚なサメと言えども、人を襲う可能性が完全にゼロというわけではありません。

沿岸性のサメなので、マリンスポーツなどを楽しんでいる際に遭遇することもあるでしょう。

 

大人しいサメだからと油断せずに、一応は警戒をしておいてくださいね。

むろん、こちらからいらぬちょっかいを出したりするのはやめましょう。

シロワニについてのまとめ

恐ろしい見た目をしているシロワニですが、「巨大な子犬」と呼ばれるほど穏やかな性格とのギャップが面白いですね。

しかし、じつはそんな怖い見た目でかなり損をしているんです。

 

怖い見た目をしているがために、凶暴で人を襲うサメだと勘違いされて駆除されまくり、生息数が減少してしまっているんだとか…。

人もサメも、見た目で判断してはいけませんね。

 

ただ、やはり海中でシロワニと遭遇したら、一目散に逃げだすとは思いますが。

シロワニだと思ったら別の(凶暴な)サメだった、という展開も怖いですし…。

(ライター もんぷち)