ロブスターとザリガニ。
どちらも似たような姿をしていますが、ロブスターとザリガニの間にはどのような違いがあるのでしょうか。
今回は、そんなロブスターとザリガニの違いをみなさんにご紹介していきます。
ロブスターの生態
ロブスターとは十脚目抱卵亜目ザリガニ下目アカザエビ上科ロブスター属に分類される二種の甲殻類を指します。
ロブスターはエビの仲間の中でも最大級の大きさに成長し、アメリカン・ロブスターという種は最大で120cmにも達することがあります。
ロブスターは食材としても広く親しまれており「オマール海老」や「ウミザリガニ」という別名で流通することがあります。
高級食材として高い人気を誇る一方で、ある特異な生態を持つことから、世界中の科学者たちの間で研究対象として大きな注目を浴びています。
それは、ロブスターの長い寿命に関係しています。
ロブスターは脱皮をする際、殻だけではなく内蔵までもが新しいものと入れ替わるため、外敵に襲われるなどの外的要因が起こらない限り、永遠に生き続けることが出来るとさえ言われています。
ニューヨーク市内のレストランのマスコットキャラクターとして人々に親しまれていたロブスターの寿命は推定140歳以上とされ、わたしたち人間よりも遥かに長生きであることがわかりました。
年齢を重ねるにつれて体のあちこちが痛んでくると、脱皮の度に内蔵まで生まれ変わるロブスターが羨ましく思えてしまいます。
ザリガニの生態
ザリガニとは十脚目抱卵亜目ザリガニ下目ザリガニ上科およびミナミザリガニ上科に属する甲殻類の総称です。
エビの体つきとカニのハサミを併せもった、エビとカニのハイブリッドのような外見が特徴的です。
その力強い姿は人々――特に少年の心を惹きつけて止まず、ペットとして世界中で高い人気を誇っています。
国内には二ホンザリガニ、ウチダザリガニ、アメリカザリガニの三種が生息していますが、ウチダザリガニとアメリカザリガニは外来種であり、北海道と東北にのみ生息する唯一の在来種二ホンザリガニの生息数は減少の一途を辿っていると言われています。
ロブスターと人間との関わり
前述したように、ロブスターは食材として世界中で親しまれてきました。
特に西洋では高級食材とされ、塩茹で、蒸しエビ、グリルなど様々な調理法で人々の舌を楽しませています。
日本でもロブスターの近縁種である伊勢海老が古くから高級食材として親しまれていますから、食べ物の好みというのは洋の東西を問わず、それほど大きく変わらないのかもしれません。
ザリガニと人間との関わり
ザリガニもロブスターと同じように、食材として世界中で親しまれています。
日本では食用のイメージが薄いアメリカザリガニも、原産地である北米では名物料理として地元民に広く愛されています。
また、前述したようにペットとしても根強い人気があるザリガニですが、外国産の種が国内の河川に放流されることで生態系に悪影響を及ぼすのではないかと危惧されています。
2015年には愛媛県松山市の河川で「ミステリークレイフィッシュ」という外国産のザリガニが確認されました。
ミステリークレイフィッシュは単為生殖を行うという特徴があるため、たった一匹の雌の個体から爆発的に増殖することも考えられます。
ロブスターとザリガニの違い
前述したように、どちらも十脚目抱卵亜目ザリガニ下目に分類されます。
つまり、広く捉えればロブスターもザリガニの一種であるといえます。
それではロブスターとザリガニは同じなのかと思われるかもしれませんが、ブスターの定義を食材として一般的な「オマール海老」、ザリガニの定義を日本で一般的にみられる「アメリカザリガニ」に限定した場合、両者に大きな違いが出てきます。
それは、ロブスターは海水、ザリガニは淡水に棲んでいるということです。
ロブスターとザリガニの違いがお分かりになったでしょうか。
ちなみに、ザリガニの味はタラバガニに似て非常に美味だそうです。
是非みなさんも味わってみては如何でしょうか。
(ライター 國谷正明)