プレコは、ナマズ目・ロリカリア科・アンキストルス亜科、およびヒポストムス亜科に分類される魚のことです。

正式には「プレコストムス」ですが、ペットとしては「プレコ」の呼称で定着しています。

当記事では、そんなプレコとその寿命について紹介します。

プレコの生態

プレコは、10センチ以下の小型のものから、1メートルを越える大型のものまで、さまざまな種が存在しています。

プレコは、固くザラザラしたウロコと、岩などに吸いつくことができる吸盤状の口が特徴です。

その体型は水流を受け流すために、腹部が平らな流線型をしていることが多く、また、胸ビレの付け根にはエラがあります。

 

なお、プレコのオスには、鰓蓋(さいがい)や胸ビレにトゲがあります。

鰓蓋(さいがい)とは……えらぶたともいう。硬骨魚類の鰓裂の外面をおおう扁平に広がったひだ。

鰓を保護するほか,鰓蓋運動により鰓内に水流を起す働きがある。《出展:ブリタニカ国際大百科事典》

 

プレコの瞳は、猫やヤモリのように、周囲の明暗で形状が変化します。

暗い場所では、通常の魚のように丸く、明るくなると上を向いたアルファベットのCのような形に変化します。

この瞳の形状を、ギリシャ文字のオメガ(Ω)を逆向きにしたものになぞらえてオメガアイと呼びます。

 

また、プレコはおもにアマゾン川を中心とした南アメリカの熱帯域に生息します。

プレコは、水の流れが強い渓流のような環境に生息する種がほとんどですが、流れの弱い下流域や止水などに生息する種もなかにはいます。

プレコの寿命

プレコの寿命は、サイズによって大きく異なります。

タイガー・プレコやブッシー・プレコといった小型のプレコの寿命は、3~5年ぐらいです。

ただし小型のプレコでも、インペリアルゼブラなどは、ほかの小型のプレコに比べて長生きします。

 

グア・プレコやインペリアルゼブラ・プレコなど、サイズが20センチ程度に成長する中型のプレコの寿命は、およそ5~10年です。

ちなみに、中型のプレコのなかでもカイザー・プレコやオレンジフィン・プレコなど、20センチ以上に成長するプレコは、10年以上生きることが多いようです。

ウルトラスカーレットトリム・プレコやロイヤル・プレコなど、40センチを超える大型のプレコは、15年以上生きます。

プレコのその他雑学 その1

プレコのなかでおそらくもっともポピュラーな種は、セイルフィン・プレコ(セルフィン・プレコ)でしょう。

セイルフィン・プレコは、全長50センチほどに成長する大型のプレコです。

 

生息域は、アマゾン川、オリノコ川、比謝川(沖縄県)で、食性は、おもに植物を食べますが、実は生物の死骸も食べる雑食性です。

アクアリウムでは、人工エサから赤虫、コケまでなんでも食べます。

 

また水質への順応性も高く育てやすいです(大きく成長するので水槽のサイズに注意してください)。

セイルフィン・プレコは茶褐色の地肌に、黒褐色の丸いはん点がびっしりと入っています。

 

幼魚では、このはん点模様が体に対して相対的に大きくなっており、たいへん目立ちますが、成長するにつれて細かくなり目立たなくなります。

セイルフィン・プレコは、幅広い背びれを持っており、これを広げた姿が帆船の帆(セイル)に似ていることがその名前の由来となりました。

プレコのその他雑学 その2

プレコは、産んだ卵を守る性質があります。

このことによって、ほかの魚に比べて稚魚の生存率が高く、また、水質の悪化にも強いため、沖縄や東南アジアでは野生化した種がほかの魚を脅かすほど繁殖しています。

フィリピンでは、汚れた川を浄化にするために放流されましたが、藻類のほかにも魚を食べてしまうため、在来種の絶滅が心配されています。

プレコのまとめ

以上、プレコとその寿命についていかがでしたか?

プレコはアクアリウムで人気の魚ですが、ものすごいいきおいで成長するので、水槽のサイズには気をつけないといけません。

 

ちなみにもっとも大きい種は、アカリエスピーニョで、1メートルまで成長します。

カッコイイ種なので、環境を用意できる方はぜひ飼育を検討してみてください。長生きなので愛着もわきますよ。

(ライター ジュン)