シャチは飼育をすることで、ショーで見られるような動きまでできるようになる動物です。
そんなシャチの知能とはいったいどれほどなのでしょうか。
シャチの生態
シャチはマイルカ科の一種です。
マイルカ科にはイルカだけでなくシャチも含まれ、そのほかクジラもこの分類に入ります。
シャチはこのマイルカ科の中でも最大級の種で、体長は5mから6m、体重は5トン近くにもなります。
海洋生物の中でも非常に大型の動物であり食性も肉食であるため海洋における食物連鎖の頂点に立つと言われています。
しかし頂点にまで立てている理由には体の大きさだけではなくその習性が関係しています。
シャチは狩りやコミュニケーション能力に長けていることが分かっていて、自ら発する音の種類を使い分けることができます。
コールと呼ばれる仲間同士のコミュニケーションに使う音や、クリック音と呼ばれる音をエコーのように使うことで遠くの物体を察知することができるのです。
この音波は発されたのち物体に衝突することで反射を起こし、その反射音を感知するというのが基本的な仕組みですが、性能が非常に高いことが分かっていて、小さな物質の詳細まで認識することが出来るのです。
知能の高い海洋生物である
上記したような高度なコミュニケーション方法を持てていることからも分かりますが、シャチは海洋生物の中でもトップを争うほどの知能を持っています。
特にこの知能の高さが顕著に確認できる行動として「狩り」があります。
シャチの狩りに対する行動には知性を感じさせるものがあり、頭を使うことで自分よりも体の大きなマッコウクジラまでも捕食対象となっているのです。
マッコウクジラに対して正面衝突で戦うのでは体の大きさから不利になってしまうため、遠く離れた場所からチャンスをうかがいます。
マッコウクジラは潜水と息継ぎをする習性を持っていて、シャチもそのことを知っています。
そのためマッコウクジラが息継ぎのために浮上しようとするとそれを妨害し溺死させるのです。
シャチには音波を使うことで相手の位置が正確に分かるためこうしたことができるのです。このようにして直接対決を避けて安全に捕食にありつくのです。
この他、海上を飛ぶカモメの存在もシャチは知っています。
このカモメを食べるためには、人間がする「釣り」に類似した行動を起こします。まず魚を捕まえ、それを海水面に吐き出すことで獲物がいると思ったカモメが近づいてくるためそこを強襲するのです。
シャチは好奇心旺盛でアクティブな性格をしているためバラエティ豊かな狩りを行うのです。
そして社会性も持ち合わせていて、群れに子供がいる場合には敵に襲われないよう守り、獲物を持ってくることで狩りの練習をさせることも確認されています。
シャチによる事故
知能は高いため人間を獲物と勘違いすることは少ないですが、積極的な性格から、人間に対してじゃれてくることもあり、意図せず危害を加えてくることがあります。
人間と比べて体のサイズがはるかに大きいためちょっとした不注意で大変な事故を起こしてしまうのです。
殺意がないことがほとんどで、このことはシャチの力加減からも見て取れ、本気で捕食しようとした場合人間の体は簡単に切断されてしまうからです。
水族館ではシャチを使ったショーをしている場所も多く、その分事故の発生も起きているのが現実です。
ある水族館では飼育員を水中に引きずり込んで溺死させたことや、観客を巻き込んだ事故なども起きています。
しかしながら捕食の意図はなくとも知能の高さゆえに殺意を持つ可能性はあるとされており、日常的にストレスや危害を加えてくる人間には攻撃的になることもあります。
シャチは知能が高く高度な狩りができる動物である
シャチの知能の高さは狩りにおいて最も顕著となります。
そして音の使い分けを巧みに行うことで相乗効果を得ているのです。
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