強くてカッコいいネコ科の猛獣たち。
ライオンやトラは一目でわかりますが、それでは「ヒョウ」と「チーター」の違いはわかりますか?
どちらもスラッとしていて斑点模様があって、足が速そうな…というイメージがありますが、どっちがどっちなのかあやふやな人が多いのではないでしょうか。
そこで今回は、そんな「ヒョウ」と「チーター」の違いなどについてまとめてみました。
ヒョウとチーターの違い
ヒョウとチーターはかなり似ているイメージがありますが、実は生息場所や生態など、かなり違うんですよ。
まずヒョウはサバンナだけでなく熱帯雨林や半砂漠などの様々な場所に生息しています。
木登りが得意で、獲物を捕らえるとハイエナなどに横取りされないように木の上へ運ぶのは有名ですね。
食事・休息・子育てなど、生活の多くを木の上で行います。
狩りの方法は待ち伏せや奇襲が主で、捕らえた獲物は木の上でゆっくりと味わいます。
それに対してチーターは、開けた草原や半砂漠などに生息していて、熱帯雨林には生息していません。
たまに木に登ることもあるようですが、ネコ科の中で唯一爪をしまうことができないので、木登りは苦手なようです。
その分、その爪がスパイクのような役割を果たし、速く走ることができるのです。
獲物の20~30mまでひっそりと近寄り、そこから猛スピードで追いかけて捕え、素早く食事を行います。
次に見た目の違いについて。
ヒョウは体長130~190cm、体重30~80kgと、哺乳類としては大型です。
しかしライオンやトラに比べると体は細く、体重も軽いですね。
それでもヒョウよりは短いけれど太くがっしりとした足で、とても強い力を出すことができます。
柄は「ヒョウ柄」でおなじみ、黒い崩れた円形のふちどり中に色の濃い部分があるのが特徴。
「クロヒョウ」や「ユキヒョウ」など、色や模様が違うものもいますね。
チーターはヒョウよりも少し小さく、体長110~150cm、体重35~72kgほど。
なんとなく人間と同じくらいのサイズ感…。
ヒョウに比べて頭が小さく、手足も細長くすらりとしており、速く走るのにとても適した体つきをしています。
柄はヒョウとよく似ているようですが、チーターは黒く塗りつぶされた円形の点です。
そして顔には、目元から顎にかけて黒いラインが入っているのが特徴。
害獣としての一面
どちらも同じ肉食獣ですから、ひょっとして人間を襲うこともあるのでは?と少し心配になりますよね。
日本では遭遇することは無いからと言っても、動物園から逃げたりすることがあるかもしれないですし。
そうなった場合、気を付けなければいけないのは、チーターよりも圧倒的にヒョウです。
なぜなら、チーターは走ることに特化した体であるため、攻撃力・防御力共に弱いのです。
そのため、自分より体の大きな生き物は、逆に自分が怪我をしてしまう危険性があるため滅多に襲おうとしません。
怪我をして走れなくなるということは、チーターにとって餌を確保できず即、死につながります。
人間はチーターよりも多少大きいですから、人間を襲うということはほとんどないんですね。
狩りの方法が、広い場所で獲物を追うという方法だからというのもあるかもしれません。
ヒョウは体格もいいしパワーもあるので、人間のこともガンガン襲います。
しかも狩りの方法は待ち伏せに奇襲、たとえ住宅街だろうとヒョウにとっては格好の狩場だというわけです。
さらにヒョウには偏食傾向があり、気に入った味を食べ続けることもあると言います。
人間は他の動物に比べて血液中の塩分濃度が高いですから、その味を気に入ってしまう個体もいて、インドやネパールでは立て続けに人間が襲われる事件も起きています。
日本人にとってのクマのような、とても恐ろしい存在ですね…。
ヒョウとチーターについてのまとめ
こうして見てみると、両者それぞれに様々な特徴があることがわかりますね。
私個人の見分け方としては「ヒョウはライオンのようなどっしりとした肉球」「チーターは猫のようなほっそりとした肉球」というポイントで見分けていました。
みなさんも、動物園やサファリパークなどに行って、違いを観察してみてくださいね。
(ライター もんぷち)