通常、単に「オオカミ」と呼ぶ場合は「タイリクオオカミ(ハイイロオオカミ)」を指すケースが多いですが、タイリクオオカミにも様々な亜種が存在します。

日本に生息していたニホンオオカミもその一種ですね。

 

地域によって多くの亜種が存在するようで、今回そんな中から紹介するのは「シベリアオオカミ」です。

シベリアオオカミとは一体どんなオオカミなのか、その生態や特徴について詳しく見ていきましょう。

シベリアオオカミの特徴

シベリアオオカミは、別名「ツンドラオオカミ」と呼ばれ、ユーラシア大陸北部のツンドラ地域に生息しているオオカミです。

生息地が雪国なだけあって、毛色は白っぽくフサフサしているのが特徴。

オオカミの中でもシベリアオオカミはかなり大柄な亜種であり、全長は約150~200㎝。

(余談ですが、この大きさを聞くと「もののけ姫」に登場する山犬たちをつい思い浮かべてしまいます。)

 

同じくタイリクオオカミの亜種であるニホンオオカミが100㎝前後なのを考えると、シベリアオオカミがとても大きいのがよくわかりますね。

元々タイリクオオカミはイヌ科最大の種であり、更にその中でも北に生息する亜種ほど大柄になる傾向があります。

 

というわけで、より北限に近い場所に生息するシベリアオオカミが、タイリクオオカミの中でも特に大柄なのは納得です。

なんとなく、オオカミなんて犬の目つきが鋭いバージョンでしょ?くらいに思っていた人も多いかと思います。

しかし、大きさからして犬とは全く別物だということがよくわかりました…。

 

ちなみに、肉球の大きさは成人男性の手のひらと同じくらいのサイズです。

実際にどのくらいの大きさなのか、どのような姿なのかを一目見てみたい!という人も多いでしょう。

 

しかし残念ながら、現在国内でシベリアオオカミを飼育している動物園等はありません。

(以前はあったようですが…。)

もしもどうしても見たい!という場合は、国外へと足を伸ばす必要がありますね。

シベリアオオカミの生態

シベリアオオカミはタイリクオオカミの亜種なので、ここではシベリアオオカミを含めたタイリクオオカミ全般の生態について見ていきましょう。

彼らは通常雌雄のペアを中心とした「パック」と呼ばれる群れを作って行動します。

群れの中では順位付けがされており、基本的には中心となるペアが最上位となります。

時折群れから追い出されたり権力争いに敗れた個体などが孤立することがありますが、これが俗にいう「一匹オオカミ」の語源。

 

「一匹オオカミ」というとなんとなくクールでカッコいいイメージがありましたが、実際には単に行き場を失くしただけというちょっと情けない感じなんですね…。

なぜ彼らが群れを作って生活するのかと言えば、それは「狩りの成功率」に関わるからです。

 

シベリアオオカミを含めオオカミは非常に頭の良い動物であり、獲物を群れで追い込んだり、先頭を交代しながら逃げた獲物を追跡するなど、とても知的なハンティングをします。

そのため大きな群れになるほど狩りの成功率は上がり、獲物にありつける確率が高くなるというわけ。

また、持久力がとても優れており、時速30kmのスピードなら獲物を7時間も追い回すことができるんだとか…。

人間には考えられないスタミナですね。

 

主な獲物はシカやイノシシなどの哺乳類。

よっぽど飢えた状態でもない限り、自ら進んで人間を襲うことは少ないそうです。

シベリアオオカミについてのまとめ

シベリアオオカミは別名ツンドラオオカミとも呼ばれ、その名の通りツンドラ地方に生息しているオオカミです。

白っぽい毛色と大きな体が特徴で、その大きさはオオカミの中でも最大級。

国内では実際に目にすることができないのが残念です。

(ライター もんぷち)