タイリクオオカミの一種、ヨーロッパオオカミをご存知でしょうか。
今回はヨーロッパオオカミについて詳しくお話しします。
ヨーロッパオオカミ
ヨーロッパオオカミは主にシベリア、中央アジア、ヨーロッパ、モンゴル、中国北部、北東部、北西部、南西部に分布し、山岳地帯に棲息しています。
体長は76㎝以上、地上によって異なりますが体重約69~80kgでメスはオスよりも2割程度体格が小さくなります。
体毛は白色、浅黄色、柿色、灰色、黒色で混合した色で頬あたりまでその色をしています。
山岳地帯に棲息するオオカミはヘラジカ、アカシカ、ノロジカ、シャモア、イノシシ、ウマ、シカ、トナカイ、アルガリ、ムフロン、ヨーロッパバイソン、サイガ、アイベックス、野生のヤギ、ダマジカ、ジャコウジカなど、更に家畜や小動物も食べます。
東ヨーロッパでは家畜やごみを漁って食べている集団のオオカミもいます。
ヨーロッパオオカミの生息数
数十年前に濫獲されたためアジア、ヨーロッパでは生息数が大幅に減少しましたが1950年代にオオカミの迫害がなくなり、再びヨーロッパオオカミの個体数は回復しています。
2005年時点でスウェーデンとノルウェーのヨーロッパオオカミの数は100頭以上。
2015年にはノルウェーでは56頭生息するオオカミのうち50頭を射殺することが決定していました。
ただし、ノルウェーで設定されているオオカミゾーンの内にいるか、外にいるかが重要で羊農家とオオカミ減少を望む政党との対立が続いています。
日本にいるヨーロッパオオカミ
日本では多摩動物園でヨーロッパオオカミを見ることができます。
2014年にオープンしたアジアの平原というスペースでモウコノウマとヨーロッパオオカミが展示されています。
ヨーロッパオオカミは10頭以上の群れで飼育されていて、集団で歩く様子などは見ごたえ充分。
イヌではないことを実感させられます。
ヨーロッパオオカミに関するエトセトラ
ヨーロッパオオカミは灰色!?
ヨーロッパオオカミはタイリクオオカミの一亜種になりますが、タイリクオオカミはハイイロオオカミと言われることもあります。
しかし、実際の毛色は灰色だけとは限らず、実際ヨーロッパオオカミの毛色も様々な色の混色が一般的です。
ヨーロッパオオカミは臆病
オオカミというと人を襲うイメージもありますが、実際のオオカミはとても臆病。
人間に攻撃を加えることはほとんど無く、実際北アメリカでは野生のオオカミに襲われたという記録はほとんどありません。
しかし、人が先に攻撃を加えようとした場合はそうでないこともあるようです。
過去100年、アメリカ本土の48州に置いて野生の健康なオオカミによる死傷事故は1件たりとも確認されていません。
生まれたばかりは目が見えない
ヨーロッパオオカミの生まれたばかりの幼獣は450g程しかありません。
10~14日ほどで目が開いて耳も聞こえるようになり、2週間もするとよちよちと歩き始めます。
1週間で巣穴から出て外の世界を冒険しはじめます。
遠吠えの意味
オオカミの遠吠えにはいくつかの目的があると言われています。
最も特徴的なのは群れから離れたメンバーを呼び戻すためのもので、実験的に群れの中で高い地位にあるオオカミを引き離すと残されたオオカミたちは頻繁に遠吠えをしたといいます。
また、親しい仲間だったオオカミを引き離した場合にも同じ現象が起こったのだそう。
10㎞離れた場所からでも遠吠えは聞こえます。
絶食状態でも1週間生きられる
ヨーロッパオオカミは何も食べずに1週間以上生きられると言われています。
実際に狩りの制度はそれほど高くなく、普段は時速8㎞ほどで移動して、獲物を見つける最速で時速60㎞ほどの速度で走ることができます。