動物好きな人なら入門編ともいえるこの問題、「キリンの首はなぜ長い?」
今回はあえてそこにスポットを当ててみようと思います。
キリンの特徴と生態
キリンは現生する動物の中で最も背の高い動物です。
アフリカ大陸の国々に生息しますが、一部の地域では絶滅してしまっているのだそうです。
キリンには大きく4種類に分けられると考えられており、そのうちの2種類に関しては数も少なく、保護が必要だと言われています。
全体を見渡しても15年間には14万頭いたと言われるキリンの数は現在9万頭まで減ってしまっているのだとか。
キリンの体長は4~5m、体重は500~1900kg。舌も長く、45㎝ほどあるのだそう。
頭にはオスメス問わず2~5本の皮膚に覆われた角が生えています。
食性は完全に草食でアカシア属シクンシ科の葉や若葉を好んで食べます。
また、土や骨を舐めることでミネラル分を補給していると考えられています。
水も植物で補給することが多く、水場の水を飲むことはめったにありません。
薄明薄暮の時間帯に採食し、昼間は反芻しています。
妊娠期間は450~464日ほどあり、2mほどの幼体を1頭産みます。
立ったまま出産するので、かなりの高さから落下することになるのですが、脚が弓状に曲がるため骨折することはありません。
生まれて20分ほどで立って歩けるようになります。
幼獣期の天敵はヒョウやハイエナ、リカオンなどで、成獣になってからはライオンです。
しかし、強力な脚をもっていて、ライオンをキックで一撃し、殺してしまうこともあるのだそう。
次の妊娠までの期間は20か月ほどと言われています。
睡眠は立ったままとることが多く、一日のうちで10分程度休むだけなのだそう。
キリンの首のあれこれ
キリンの長い首にはワンダーネットと言われる網目状に細かい毛細血管が張り巡らされていて、これがキリンの首の上げ下げの際の急激な血圧変化を防いでいると言われています。
また、血圧や血液調整の機能はそれだけでなく、血管が伸縮性に優れていることや頸部の静脈に弁がついていて血液の逆流を防ぐなどと言った仕掛けもあるのです。
キリンははっきりとしたなわばりを持たず、集団でいても、その集団の中は常に入れ替わっているようです。24時間の中でも出入りがあるのだとか。
そのため、なわばりを持つオス同士の戦いというのは無いのですが、やはりオス同士で優劣をつける習性はあるようです。
特に若いオスの間で見られる「ネッキング」はオスの首と首をぶつかり合わせる儀式で、激しく首を振り回します。
キリンの首が長い理由
キリンの首が長いのは高い木の上の葉っぱを食べるので背伸びしているうちにどんどん伸びたというのはお話の世界。
もともと何千年前のキリンの先祖は体が小さく、首も短かったと言われています。
その頃のキリンは森林の中で暮らしていて、森林内の葉を食べていました。
それがだんだんと草原に移動してくるに従って草原の生態系の中でも負けないように足は長く、体は大きく進化していきましたが、首に関しては短いものと長いものがいたようです。
そのうち首の短いキリンが絶滅し、首の長いキリンだけが生き残ったというわけ。
キリンと人間
アフリカの国々でキリンの個体数の多い国はキリンを食用として捕獲するところもあるようです。
コンゴではキリンの尾が一種のステータスシンボルのようになっていて、それ目当てで乱獲する人も!!
キリンについてのまとめ
キリンの首は長いが、中には血圧の急激な変化を防ぐ工夫がされている。
キリンのオス同士は互いの優劣をつけるために、首を振り回してぶつかり合わせる「ネッキング」という行為をする
キリンの首が長いのは草原に出てきたからと、短いキリンが絶滅したから。
(ライター ナオ)