イモリとヤモリ、ヤモリとイモリ。
文字にするとたった一字違いの生き物たち。
形も風貌もどことなく似ているんだけど、何が違うの?
確か理科の授業でハチュウルイとリョウセイルイだって覚えたような気もするけど・・・・!?
イモリとヤモリは違う生き物です
イモリは井守と書かれ、井(=田んぼ)を守る生物として昔から日本の風景の中の生き物として親しまれてきました。イモリは雑食で、田んぼの中や池の中にいる色々な植物や水中生物などを食べます。害虫なども食べてくれる嬉しい存在です。
カエルやオオサンショウウオなどの仲間の両生類に分類されます。
ヤモリは、正式名称をニホンヤモリといい、守宮や家守と書き、その字のごとく家に住み着いて害虫などを食べてくれる家の見張り番的存在として、これもまた古くから日本で親しまれてきた生き物です。ヤモリは爬虫類で亀やトカゲと同じ仲間です。
最近はペットとして、ペットショップなどでも販売されているようです。
イモリの生態は?
イモリは水中で産卵しますが、カエルのようなゼリー状につながった卵を一度に生むことはしません。
一日一個の卵を何日間か生み続けます。だいたい合計で20個ほどといわれています。
池などの水の流れのないところに産み付けるのが一般的です。
水中で孵化したての頃は馴染みのあるカエルのオタマジャクシのようです。
ここから足がはえて、しっぽが縮んでいくのですが、カエルの場合は後ろ脚から生えるのに対して、イモリの場合は前脚から生えていくので見分けがつきますね。
こうして水中である程度の大きさになると、それまであったエラがなくなり、水中では暮らしていけなくなります。
イモリはいったん陸上に上がり、3~5年の間を湿気の多い草陰や葉の下などでミミズや土中の生き物を食べて成長していきます。
成熟すると再び水場に戻ってきて産卵をするというサイクルです。
イモリは体内に毒を持っていますが、その毒が致死量に達しないサギなどの大きな生物にとっては良い餌となってしまいます。
無事に生き延びて水場に帰ってこられたイモリだけが子孫を残せます。
体の再生能力が高く、ヤモリのような自分でしっぽを切って敵から逃げるような行動はしませんが、例えしっぽが切れてしまっても、骨のレベルから再生する高い能力を持っています。
ヤモリの生態は?
ヤモリは陸上で生活します。
蛾などの昆虫類やワラジムシなどの節足動物を餌として暮らしているので、人間にとってはまさしく家守です。
本州では小さなゴキブリなんかも食べてくれるらしいのでありがたい存在。
ハチュウ類で小さく白い卵を産みます。
5月から9月頃の良い季節に1~2個の卵を3回ほどに分けて産み付けます。
もちろん、卵が孵化したときに出てくるのは成虫のヤモリのあの形のまま。
ちっちゃくてかわいいヤモリが誕生してくるわけです。卵の状態からおよそ1か月半から2カ月かけて孵化します。
次の年には繁殖が出来るまで成長し、長生きするものは10年ほどいきるとか。
ヤモリは夜行性で夜薄暗くなると活発に活動し、天敵といえばカラスや野鳥、蛇などでしょうか。ムカデなども天敵です。
ヤモリは敵に襲われたときに自切という敵から身を守るために自らしっぽをちぎって逃げるという技を持っています。
切れたしっぽは再生することが可能ですが、完全に再生することは難しいらしく、一度切れた部分のしっぽは見た目にもやはりわかるものらしいです。
イモリとヤモリはやはり似て非なるもの
一見、見分けがつかない人も、生息場所が違うので簡単に推定できます。
イモリは毒をもっているので、やんちゃな外遊び好きな子供達が触った後にはしっかりと石鹸で手洗いさせてあげてくださいね。
(ライター ナオ)