こどものころ、縁日で亀すくいを楽しんだことがあるという方は多いでしょう。
その縁日でゲットした亀を持ち帰り、その後どうなったか覚えていらっしゃるでしょうか。
結構長生きするので、そのうち飼育するのを飽きてしまったり、すぐ大きくなるので手に負えなくなったりして、近所の川や池などに捨ててしまう、そんな家庭が多いようで、縁日の亀は捨てられ野生化して大繁殖をしているそうです。
在来種を脅かし、ハスなどの植物や農作物などに大きな被害を及ぼしているということが問題になっています。
縁日で売られている亀のミドリガメは輸入禁止が決定したようで、そのうち縁日の亀すくいはなくなってしまうかもしれません。
今回は、このミドリガメではなく、ペットとして人気が高いニシキマゲクビガメの飼育方法を調べます。
カメについて学ぼう?
カメは浦島太郎などの昔話にもでてくるし、日本では昔から身近な存在で、現在でもペットとして人気です。
けれども安易に飼い始めて途中で面倒見きれなくなって捨ててしまうということがないように、カメとはどんな動物なのかを確認しておきましょう。
分類
ヘビやトカゲなどと同じく爬虫類です。
生息地
カメには、水棲、半水棲、陸棲のものがいます。世界中の熱帯や温帯地域に、300くらいの種がいるといわれています。
卵生
カメは全種が卵生です。
一度に産む数は種によって異なります。
カメの卵は殻ごしに呼吸をしており、水中に産み落とされると死んでしまうので、水棲のカメも砂浜に上陸して産卵します。
甲羅
甲羅の内側は、背骨や肩甲骨、肋骨がつながって箱型になったもので、甲羅の外側は皮膚の一部からできています。
アニメなどでは甲羅を脱ぐカメが描かれたりしますが、実際は脱ぐことができません。
脱皮
ヘビやトカゲなどの爬虫類は、脱皮をしますが、カメも爬虫類なので脱皮します。
しかし、ヘビのようにからだ全体まるごと脱ぐのではなく、小さい部分ごとに皮がはがれて落ちます。
視力
カメの網膜には、わずかな光にも強く反応する細胞が他の生物よりもたくさんあるので、夜でもよく見えるといわれています。
寿命
「鶴は千年、亀は万」と日本ではカメは長寿の象徴です。カメの細胞代謝のサイクルはゆっくりなので、比較的長く生きることができるといわれています。
通常日本で飼育されているカメの寿命は30年前後のものが多いのですが、カメのなかでも特に長生きで知られる陸ガメのゾウガメには、推定年齢180歳以上の個体がいるそうです。
ニシキマゲクビガメとはどんなカメ?
ニシキマゲクビガメは、首を縦方向に引っ込めるのではなく、横に曲げる曲頸類という種類になります。
インドネシア、オーストラリア、パプアニューギニア原産のカメで、甲羅の長さは、最大25センチ前後です。
頭の側面には、クリーム色のラインが入り、特に幼体に顕著なのですが、甲羅の外縁とお腹の部分が鮮やかな赤色に目立つのが人気の原因になっています。
流れがゆるやかで、水生植物の繁茂した河川や湖沼を好む半水棲で、日光浴を好みます。
動物食傾向が強い雑食で、水草、果実、魚、カエル、昆虫、甲殻類、ミミズなどをエサとします。
ニシキマゲクビガメの飼い方
【飼育ケース】:60~90センチ以上の水槽や衣装ケースなど
【温度】:20~25度程度に保温。特にベビーには気をつける。
【紫外線】:日光浴を好むので、日光浴をさせる。
紫外線は、甲羅の健康な成長のためには必須。できない場合は、紫外線ライトをあてるとよい。
特にベビーは皮膚病になりやすいので、こまめに日光浴をさせる。
【水】:カルキを抜いた水を使い、水深は甲羅の長さ程度。
流木などを使って日光浴ができる揚場をつくる。
市販のカメ用の浮島などを利用してもよい。1週間に1回は水の交換をする。
【床材】不衛生になりやすいので特に必要なし。
【エサ】カメ用の配合飼料を与える。最初のうちは食べないこともあるので、メーカーを替えたり、ミミズや植物を与えたりいろいろ工夫する。
*注意点:大きくなると気が荒くなるので、複数飼育は避けたほうがいいでしょう。
ベビーには、食べるだけエサを与えていっきに大きく育て、ある程度の大きさになったらエサは控えめにしてゆっくりと楽しんで育てていくとよいでしょう。
まとめ
カメも大事に育てると、飼い主に懐き、飼い主のあとを追ったりするそうです。
ニシキマゲクビガメはそれほど大きくはならないようですが、飼育に飽きたとか、飼育が面倒になったとかという理由で捨てたりしないように、前もって飼育方法を調べ最後まで面倒をみるという覚悟で飼うようにしましょう。
(ライター sensyu-k)