伝書バトに使われているのは何バト?
「デデーポッポー」と鳴くのは?
そんな疑問を一挙解決!!
一般的にみられるハト
ハトは世界中で290種類もあり、日本においても13種類が確認されているほど種類の多い鳥です。
一般的に私たちが暮らしの中で見かけるハトの他にも、多くのハトが生息しているということも。
中にはハトのイメージを覆すような綺麗なハトもいたりするんです。
都会の公園や農村地帯でよく目にするハトはキジバトとドバト。
キジバトはヤマバトと呼ばれることも多いハトです。
一方ドバトはイエバトと呼ばれますが、正式名はカワラバトと言います。
キジバトとの特徴と生態
キジバトはユーラシア大陸の東部から日本各地に生息しています。
私たちにとっては馴染みのある日常的な存在ですが、世界的にみると貴重な鳥なんです。
北海道には夏鳥として生息し、沖縄や奄美地方には亜種のリュウキュウキジバトが生息しています。
体長は33㎝ほど。記事のメスの翅色に似ていることからこの名前がついたと言われています。
首に青や黒の縞模様が入り、翼には鱗のような模様が入っています。体表はブドウ色と言われ、明るい森の中では保護色になる色合い。
単独、もしくはペアでいることが多く、一度カップルになるとその状態は長く続きますが、繁殖に失敗するとパートナーを変えると言われています。
繁殖期は一年中ですが、他の鳥たちと同様春から秋にかけてがピークのよう。
「デーデーポッポー」「ホーホーポッポー」という鳴き声が山の奥から響いてきたら、それがキジバトです。
1回に2個の卵を産み、抱卵は14~16日。
昼は雄が、夜は雌が抱卵します。
孵化後の子育ては雌雄で行い、喉にある素嚢と言われる場所からピジョンミルクという豆乳のようなものを出して、ヒナに与えます。
食性は雑食で果実や種子、昆虫やミミズなどを捕食し、カルシウムを補うために貝などもついばみます。
豆なども大好物で、農業地域では大豆に悪さする害虫として扱われることもあり、狩猟期間には狩りの対象にもなっています。
ドバトの特徴と生態
ドバトは地中海原産でカワラバトが家畜化されたものと考えられています。
日本には平安時代の頃に渡ってきたと言われ、在来種としては認められていないそうです。
もともとのカワラバトが崖に集団でいる習性があり、その習性を引き継いでドバトも集団で行動していることが多く、都市部の公園などでは人間からのエサを目当てに沢山のドバトがいるのを目にします。
体長は30~35㎝、キジバトよりも一回り大きいと言われますが、個体差もあり大きさの区別は難しいかもしれません。
首の周りには角度や光の加減によって微妙に色が違って見える毛が生えていて、それは時に緑だったり、青っぽかったりします。
キジバトのような縞模様は入っていません。
また、羽にも鱗のような模様はなく、キジバトとの見た目の違いはここで判断できます。
食性は草食で主に種子や穀類、果実を好んで食べますが小さな昆虫なども捕食するようです。
繁殖力が強く、年に4~5回の出産をすることもあります。一回に産む卵の数はキジバトと同じで1~2個。雌雄共に子育てをします。
昔から伝書鳩としての役割や食用として食べられていた時代があり、現在では平和の象徴として扱われたりもするドバトですが、尿が金属の腐食を促進させる作用を持っているため、歴史的建物の汚損などでは問題になることも。
最近は都市部のドバトの色が黒色化しているらしく、その原因は増えつつある天敵の猛禽類の攻撃を防ぐため、体色をカラスに似せているという説があるようです。
キジバトとドバトの違いのまとめ
キジバトは首筋に縞のラインと羽根に鱗模様があるがドバトにはない。
キジバトは「デーデーポッポー」と鳴くがドバトは「クックー」と鳴く。
キジバトは狩猟期間には狩猟の対象となっている。
(ライター ナオ)