ハトは私たちが生活していてよく見かける鳥類の一種です。
公園に数羽が群れて歩いている様子を見かけることもよくあります。
そのためハトについて分かっているような気になっていますが、実際のところハトのもつ本来の生態と私たちの持つイメージとでは差があります。
ここでハトの性質や人間との関係についてまとめていきます。
またハトに対するイメージと言えば平和の象徴と考える人もいるかと思います。
世界的に見てもハトは平和の象徴として扱われています。
このように考えられるようになったのはなぜなのでしょうか。
その理由についても言及していきます。
ハトの生態
ハトと言っても日本だけで10種を超えるほどの種類が存在します。
そのうちいくつかは絶滅が危惧されています。
また、見る機会の多い種類としてはカワラバトなどが挙げられます。
頭部が小さく胸まわりが発達し見た目に可愛げがあること、そして人懐っこく近寄ってくることから人間側もあまり避けることなく接することが多いです。
しかしそれ故問題点も多く発生しています。人の食事でもハトが食べることから雑食性の強い鳥と思われがちですが、本来は植物性のものを好み動物性のものはあまり食べません。
しかし人間がハトに食事を与えてそれを食べることでこうしたイメージが付いたと考えられています。
自然界においては穀類や豆類、種子などを主に食べて生きています。また、実際は闘争本能も強く、縄張り争いになれば凶暴な一面も見せます。
自分の巣を守るために攻撃をすることもあるので、おとなしい鳥というイメージのまま巣の処理をすると危険な目に遭う可能性があります。
なぜ平和の象徴とされているか
現代ではすっかり平和の象徴としての印象がついています。
これはギリシャ神話の「ノアの箱舟」が由来しています。
大洪水が発生したのち、放ったハトがオリーブの葉をくわえて戻ってきたことで水が引いていることを知り、結果繁栄することができたというものです。
平和の訪れを知らせたことにはハトの実際の性質も関係しています。
ハトは帰巣本能を持っており遠くに放ったとしても巣に戻ることができます。
この性質は古くから知られており様々な応用がされてきました。
通信技術が発達していなかった時代にはハトによる情報伝達が盛んに行われていたのです。
日本においては軍神の使いとされていましたが、西洋文化の流入によってこうした平和的なイメージが付きました。
また、より世界に平和の象徴として広まったのはピカソがパリ国際平和擁護会議でハトのポスターを描いたことがきっかけと言われています。
ハトによる問題
人が勝手に平和の象徴としてハトのイメージを決めつけていますが、これだけ人との距離が近いと色んな問題も生じてきます。
その中でも深刻なものにアレルギーや病気を誘発してしまっているということが挙げられます。
ハトの羽毛にダニやシラミが付着しており喘息を起こしてしまうこと、病原菌を媒介してしまうこと、また、ハトの糞によってアレルギー反応を起こすこともあります。
群れをなして行動することも多いのでハトの集まる場所ではこうした危険があることも知っておきましょう。
この他食害なども発生しており、ハトに対して餌を与えないように注意喚起している場所も少なくありません。
野生生物でも餌を与えられることで居着いてしまうことがあります。
できるだけ人は干渉せずに自然な状態でいるのが良いのかも知れません。
ハトが平和の象徴と言われるのはギリシャ神話からきていた
ハトの生態から問題点までいくつか紹介しました。
古来よりハトの性質上人と接しやすく、その結果ギリシャ神話にも登場することとなりました。
このことがきっかけで現代まで平和の象徴として知られることになっています。
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