シマヘビとアオダイショウは日本国内において最も身近なヘビです。

「ヘビが出た!」という目撃談のほとんどをこの二種が占めているといっても過言ではないでしょう。

しかし、これほど身近な生き物であるにも拘らず、シマヘビとアオダイショウを的確に見分けられる人はそれほど多くありません。

今回は、そんなシマヘビとアオダイショウの生態の違い、そして見分け方をみなさんにご紹介していきます。

シマヘビの生態

シマヘビは、有鱗目ナミヘビ科ナメラ属に属します。

全長は最大200cmに達する大型のナミヘビで、耕地や草原、森林などに生息しています。

田園地帯などでよく見られ、川を泳いで渡る姿も珍しくありません。

ネズミや小鳥、トカゲやカエルなどの小動物を捕食します。

アオダイショウの生態

アオダイショウも、シマヘビと同様に有鱗目ナミヘビ科ナメラ属に属します。

最大全長はシマヘビを超える、本州最大のヘビです。

シマヘビと比較して樹上棲の傾向が強く、農地や森林地帯のほか、市街地でもよく見られます。

シマヘビと同様に、小型の鳥類や哺乳類、爬虫類や両棲類などを捕食します。

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シマヘビの外見的特徴

シマヘビという名のとおり、黄褐色の体色に、四本の黒いストライプが入っています。

ただし黒い縞模様が目立つのは成体だけで、幼体の縦縞はかなり不鮮明です。

 

また、稀に「カラスヘビ」と呼ばれる黒変個体が確認されます。

カラスヘビは全身が漆黒の鱗に覆われており、世界でも有数の格好良さを誇ります。

アオダイショウの外見的特徴

アオダイショウは黄褐色からくすんだ緑色をしており、名前のとおり青色を呈する個体はかなり少ないです。

幼体は灰色をしていることが多く、また個体によってはくっきりとした斑紋のあるものもおり、マムシの幼体に間違われることもあります。

 

国内において「白蛇」と呼ばれるものの多くは、アオダイショウの白変個体(アルビノ)です。

アルビノのアオダイショウは、愛好家の間で10万円を超える高値で取引されることもあり、まさに福をもたらす存在です。

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シマヘビとアオダイショウの見分け方

前述したように、シマヘビとアオダイショウは外見が大きく異なるため、判別は容易です。

成体であれば、黒い縦縞のあるものがシマヘビ、全身がほぼ一色であるものがアオダイショウです。

 

幼体は成体と比べて判別が難しいかもしれませんが、全体的に赤っぽいものがシマヘビ、灰色から緑色っぽいものがアオダイショウだと考えて間違いないでしょう。

また、ほとんど見かけることはないと思いますが、真っ黒なものはシマヘビ、白蛇はアオダイショウです。

シマヘビとアオダイショウと人間との関わり

嫌われ者のイメージの強い蛇ですが、シマヘビとアオダイショウはどちらも無毒で、ネズミなどの害獣を捕食することから、人間にとってむしろ頼もしい存在であるといえます。

どちらも性質は温和で、こちらからちょっかいを出さなければ自分から攻撃してくることはまずありません。

 

蛇は天敵が多く、とても臆病な生き物です。

シマヘビとアオダイショウを見つけても、あまり騒がずにそっとしておいてあげてください。

毒蛇の見分け方

沖縄のハブを除けば、日本に棲息する毒蛇は「マムシ」と「ヤマカガシ」の二種類だけです。

マムシをはじめとするクサリヘビ科の仲間の頭部は、上から見ると三角にちかい形をしています。

 

また、マムシは極端にいうとツチノコのような、太くて短い体型をしています。

灰色をベースに赤褐色の斑紋の入るニシキヘビのような体色も特徴的です。

 

毒蛇といえば、マムシかハブを思い浮かべる方が多いかもしれませんが、ヤマカガシの毒性の強さは、マムシとハブのそれを大きく上回ります。

そんな日本最強の毒蛇ヤマカガシの見分け方はじつに簡単。

 

コントラスト鮮やかな赤と黒の体色は、どこから見ても毒蛇そのもの。

幼体は地味な体色をしていますが、首にリング上の模様があるので、こちらも判別は容易です。

 

シマヘビもアオダイショウもそれぞれ異なる魅力をもった素晴らしい生き物です。

これを機に、ぜひ親しみをもって接してみては如何でしょうか。

(ライター 國谷正明)

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