大空をかっこよく羽ばたく猛禽類。
小学生の息子に「あの鳥なあに?」と聞かれたことは数知れず。
そのたびに鷹!鷲!???適当に答えていたのですが‥‥実はそれって半分正解で半分不正解。
ホントのところをご説明しますね。
鷹と鷲
鷹(たか)も鷲(わし)もワシタカ目ワシタカ科に属する猛禽類です。
日本にも多くの種類が生息していて、鷲はオオワシ、オジロワシ、イヌワシ、ハクトウワシなどで鷹はオオタカ、ハイタカ、クマタカなどが挙げられます。
これらの違いは実は大きさだけなんです。
より大型のものを総称して鷲といい、鷲よりも小型のものを鷹というのです。
だから、クマタカのように鷹の中でも大型の種類の大き目の個体は鷲といえば、鷲なわけで・・・・。
鷲は主にリスや野兎、魚で言うとサケヤタラなどを捕食します。
また、動物の死骸なども食べるようです。
一方鷹は野ネズミなどの小型の鳥獣を捕食するといわれています。
サイズを比べると、オオワシのオスはその大きさが88㎝ほど、メスになるとさらに大きく102㎝ほどといわれています。
翼を広げた時の体調は220~250㎝ほどで、オオタカのオスは50㎝ほど。
メスは10㎝大きい60㎝。翼を広げた時の体調は100~130㎝ほどです。
鷲と鷹と人間と
鷲や鷹は日本に限らず、古い時代から人間の暮らしに大きく関わりを持ってきました。
国によっては水産加工場などで悪さをしたり、毛皮になるミンクを捕食してしまったりすることから害鳥扱いされることもあるらしいのですが、その一方でオオワシなど日本では1970年には天然記念物、1993年には希少動植物種に指定されて保護されるなど、時代や国によって鷲と鷹に関する考え方には違いがあるようです。
けれど、良いにつけ、悪いにつけ、人間の暮らしとは密接なかかわりをもってきた猛禽類ということだけは確かのよう。
鷲は英語でイーグル。
3.11の東日本大震災の年には見事な戦いぶりで東北を盛り上げたプロ野球チームの楽天イーグル。
まさに空からの救世主!!??的な存在でした。
この時監督を務めていた星野仙一監督はワシと呼ばれることもありました。
「イーグル」はアメリカでは戦闘機のF-15のネーミングとして使われたり、ロシアではロシア皇帝の紋章として使われていたりします。
世界初の月面探査機のアポロ11号の月面操作船はイーグル。
こんなところでも鷲の名前が使われていたりするわけで、さすが生態系ピラミッドの頂点に立つ存在は違います!
鷹は英語でホーク。
野球チームのソフトバンクホークスはそのキャラクーマスコットと共に印象的です。
まさに名実共に鷹のような勇ましいチームで、近年は上位争いを繰り返している球団です。
しかし、実は鷹は日本では古くは食料として食べられていた時代もあったというのだから驚きです。
ちょっと今では想像しがたい現実ですが。
古い医学書には鷹の糞を使った薬というのも記述もあるそう。
鷹の羽を家紋にしたり、鷹を使った狩りが娯楽として流行った時期もあったりと、とにかく身近な存在だった鷹はシンボル的な存在としてだけでない関わり方をしていた時代があったようで、現代の私たちには新鮮で驚きの事実です。
他にも、モンゴル地方では力や実力のある人のことを鷹と呼んだり、世界でメジャーな小型飛行機のセスナには、スカイホークIIという相性がつけられています。
以上が鷹と鷲に関するエトセトラです。
これで、鷲と鷹の区別が頭でははっきりとついたと思います。
しかし‥‥実際に上空を華麗に舞っている鷲や鷹を見かけた時、「あの鳥なあに?」という息子の質問に明確に答えられるようになるには、その距離感から大きさを推測しなければならないわけで・・・・これはなかなか難しい課題かもしれません・・トホホ。
(ライター ナオ)