醜いアヒルの子や鴨とりごんべいなど民話やおとぎ話としてもなじみのあるアヒルと鴨。
この2種類の違いについて考えたことはありますか?
白いのがアヒルで茶色いのが鴨でしょ!?って…まあほぼ正解です。
でもせっかくなのでもう少し詳しくお話していきますね。
アヒルについて
アヒルは鴨が家畜化されたものです。
生物学的にはマガモと同種類だそうで、体調はおおよそ50㎝ほど、体重は3~5㎏ほどになります。
飼育が始まったのはヨーロッパや中国が最初だったようです。
北京ダックなんていう有名な料理もありますもんね。
でも、実はヨーロッパなどでは鴨とアヒルは一般レベルではあまり明確に区別されていないらしく、どちらも同じ言語で表現されていることが多いとか。
日本ではシロアヒルというその名の通り白色のアヒルが一般的ですが、中にはアヒルが先祖返りした青首アヒルなどちょっと変わったアヒルもいます。
シロアヒルはくちばしと水かきが黄色い色をしています。
ちなみにガチョウとの区別はというと、ガチョウはアヒルよりも一回り大きく、首も長いのが特徴です。
アヒルは家畜化されているうちに飛ぶ能力が退化して、数メートルしか飛べません。
鶏より大き目で薄緑色の卵を年間150~200個ほど生みます。
親が抱卵するのが基本ですが、中には抱卵しないものもいて、そんな時は鶏に卵を抱かせて孵化させることもあるようです。
鴨について
鴨もアヒルと同じカモ科の生物です。
一般的には鴈や白鳥を除いた総称として使われています。
日本ではカルガモやオシドリが通年を通して見られ、マガモやコガモ、オオガモもなどが冬鳥として冬の間によく見かける鴨になっています。
生息地はラムサール条約などで保護されることもあり、狩猟期間や時期、狩猟の道具などが決められている、貴重な鳥です。
日本では古代から食用として、馴染みがあったようですが、一時期から庶民の食べるものという位置づけになり、貴族などは鶴や雉などを好んで食べるようになったそうです。
現在ではまた鴨料理の人気が上がり、ちょっと高級な食材という位置づけになっています。
マガモは繁殖の時期にオスの頭部が綺麗な緑色になります。
カモといえばこの色合いを思い浮かべる人も多いかもしれませんね。
しかし、繁殖時期以外はオスもメスと同じような地味な茶色の羽に変わります。
区別できるところといえば、くちばしの黄色い色が残る点でしょうか。
鴨は産卵後はメスのみが抱卵と育雛をします。
28日程度で孵化した雛は40日を過ぎるころから繁殖能力が備わり、次の世代を残すことが出来るようになります。
良く耳にする「合鴨」はアヒルとマガモの交配種ということになるのですが、もともとアヒル自体がマガモが家畜化されたものなので、そのあたりは厳密ではないのが実情です。
合鴨はよく料理に使われます。
また、近年は農薬を使わない稲の栽培法としても合鴨農法というものが確立されていて、田んぼの除草を鴨たちに託す農法を行っている人もいます。
古代から続く身近な鴨たちのとの共存!?は色々な形で今も続いているということでしょうか。
ヨーロッパで生まれたフォアグラは一般的にはガチョウの肝臓ですが、カモの肝臓も使われています。
これは鴨が渡りを行う時に肝臓に蓄える脂肪を上手に利用したもので、高級食材の代表的存在です。
いかがでしたでしょうか?
鴨とアヒルの違いはざっとこんな感じです。
現在ではあまりないのでしょうが、ひと昔前は飼っていたアヒルが野生化して…なんて話もざらにあったようですから、明確な区別がつかないものも沢山いたということでしょうね。
しかし!!お肉は食べているものによって全く違う味になりますから、皆さんも機会があったら野生の鴨のお肉、食べてみて下さいね!
(ライター ナオ)