アメフラシは海に住む軟体動物ですが、地方によってはこのアメフラシをウミウシと呼んでいる地域があります。
アメフラシ・ウミウシ共に貝の仲間ですが、貝殻はなく、まるでナメクジのような外見が特徴的です。
ではここで「アメフラシ」と「ウミウシ」の違いについて説明してみましょう。
めずらしい「雌雄同体」の生物なんです
紛らわしい生き物の2種類である、「アメフラシ」と「ウミウシ」のそれぞれの生態、違いについてです。
アメフラシとは、腹足綱後鰓類の無楯類、アメフラシ科に属している軟体動物のことをいいます。
広義では、腹足綱後鰓類の無楯類であれば「アメフラシ」と呼ばれています。
「無盾類」というのは、なかなかめずらしい名称ですよね。
これはもちろん「盾を持たない」ということで、軟体動物としてはぴったりな名称ですね。
ところで、なぜこの生き物がアメフラシ「雨降らし」なのかご存知でしょうか?
一説では、この生き物が紫の液を出したときにそれが雨雲のように見えるからというものや、雨が降ると岩場に移動しているからという説があります。
「海のウサギ」というイギリスの呼び名は、頭部にある2本の突起からつけられています。
ちなみに、中国でも「海兎」と言われていて、国によって呼び名が違うのが面白いですね。
体長は15センチから30センチ以上のものまであり、貝殻は退化しており体内に入り込んでいます。
前述のように、アメフラシをつついたりなどして刺激を加えると紫色の液体を出して、これが敵に対しての煙幕になったり襲われなくさせる効果があります。
ウミウシは後鰓類中で、貝殻が小さく体内に埋没または消失などをしている種の総称のことをいいます。
「ウミウシ」という呼び名は、生物学的に分類群と対応したものではないのです。
たとえば、風土・習慣・知識的背景によっても違うカテゴリーになる言葉なのです。
さらに、ウミウシの属している「後鰓目」という分類自体も流動的な使われ方をしていて、こういった理由にから、ウミウシを分類するのが難しくて、呼び方のの不一致が指摘されることが多いのです。
ウミウシは世界中の浅い海の底にいることが多く、体の長さは数ミリから30センチまでと大きな違いがあります。
形態もバリエーションが多く、色もさまざまで、赤・青・黄色・緑などの原色の鮮やかな色や地味な色まであり、このことから鑑賞生物として人間から好まれています。
ウミウシは肉食~草食まででさまざまなものを食べています。
このような生物はホヤやコケムシのような群体制を食べていることが多いのですが、魚の卵、同じウミウシを食べることもあるんだそうです。
ちなみに、混同されることが多いアメフラシはほとんど草食で、海藻等を食べています。
また、アメフラシ・ウミウシどちらも「雌雄同体」という変わった生物です。
紛らわしい「アメフラシ」と「ウミウシ」の違い
アメフラシとウミウシの違いは、前述のようにアメフラシは草食で、海藻などを食べるベジタリアンですが、
ウミウシは海中の生物を食べているという点があります。
さらに、アメフラシは地味系な生物ですが、ウミウシは形状やカラーがとってもカラフル!ということがありますね。
分類学的には判定が難しいアメフラシとウミウシですが、このように色や食べ物で区別することができるでしょう。
アメフラシは昔から食べられていました
アメフラシとウミウシの人間との関わりについてですが、
ウミウシは食べても美味しくないようで、しかも毒も持っている種類もあるようなので食用の価値はないでしょう。
アメフラシは、島根県の隠岐の島などの一部の地域では昔から食べられているんだそうです。
内臓などをさばいた状態で1時間くらい醤油で煮込み、食べると貝類に似た歯ごたえがあり、高野豆腐のような感じもするようです。
ウミウシは色がカラフルで観賞用として人気があるのですが、餌の調達や卵の育て方などが大変で飼育は難しいのです。
アメフラシとウミウシの違いがわかる人は稀ではないでしょうか
よく混同されているアメフラシとウミウシの違いについてでした。
まあ、端的に言えば「地味なナメクジ」がアメフラシ、「カラフルなナメクジ」がウミウシという
感じですが、ウミウシにも地味な種類があるからやっぱりややこしいですね。
(ライター:nabex)
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