カタツムリと言えば、童謡などにもなっていて、私たちに馴染みの深い昆虫の一種。
同様にエスカルゴもヨーロッパでは同じような子供達にも身近な存在なのだそうですが・・・。
両者の違いを比べてみました。
エスカルゴの特徴
エスカルゴはフランス語ではカタツムリを意味する言葉です。
日本ではカタツムリそのものというよりも、料理を意味する言葉として使われることが多い様です。
一般的に食用として使われるカタツムリはリンゴマイマイ、プティ・グリ、グロ・グリの3種類です。
リンゴマイマイなどは繁殖力の低さから利用が減少して絶滅危惧種となる状況にあり、代用品としてアフリカマイマイが用いられることもあります。
食用カタツムリとして流通しているものはほとんどが穀物などの資料を与えて養殖したものですが、ブドウ畑などに生息する食用に適した野生のカタツムリが利用されることもあります。
野生のカタツムリを食用として利用する場合は数日間絶息させるか、清浄なエサを与えて消化管に残っている未消化物など排泄させる処理が必要となります。
リンゴマイマイの卵はホワイトキャビアとして食用にされることもあります。
エスカルゴの種類
リンゴマイマイはブルゴーニュ地方のエスカルゴで本物のエスカルゴと言っても過言ではありません。
養殖が難しいので市販されているものは東ヨーロッパで採られたものが多く、大きさは40~55㎜です。
山地はフランス全土とヨーロッパ中部。
プチ・グリは小さなグリで、腸の部分を含めて丸ごと食べることが出来るのが特徴で、養殖もおこなわれています。
大きさは28~35㎜で、地中海沿岸やフランス西部が産地です。
グロ・グリは大きなグリで、こちらも養殖が可能です。北アフリカが産地で大きさは40~45㎜です。
この他に、ちょっと味は落ちますがトルコ産のエスカルゴも販売されているようで、そのエスカルゴには殻に明瞭な縞の模様が入っています。大きさは30~40㎜です。
ちなみにインドネシア産のカタツムリも食用にされることがありますが、これはアフリカマイマイという種類で、味的にはかなり落ちるのだとか・・・・。
カタツムリの特徴
日本でカタツムリと言われるものは、オナジマイマイ科やニッポンマイマイ科に分類される種類です。
一般に移動能力が小さく、山脈や乾燥地、水域などを越えて分布を広げることが難しいので地域ごとに種分化が起こりやすいと言われています。
多くの種類は乾燥に弱い為、ある程度の湿度があるところに多く生息します。
ミジンマイマイやウスカワマイマイのように海岸や畑地、道路や人家周辺などに生息するものや深山にしか生息しない種類もいて、中には岩の表面に棲むもの、朽ち木にいるもの、あるいは樹上性のものなど、限られた条件にのみ生息するものもいます。
貝殻の材料となるカルシウムはカタツムリにとっては補給の難しい資源で、個体数の制限要因となり得ます。
したがって、それを豊富に供給してくれる石灰岩地はカタツムリにとって好的な環境といえ、その分種類や個体数が多いと考えられます。
例えば、沖縄諸島のさんご礁の森林などではカタツムリの個体数はとても多く、貝殻を踏まずには歩けないほどの数がいるそうです。
カタツムリの食文化
日本でもカタツムリを食べる文化は古くからあったようです。
例えば飛騨地方ではクチベニマイマイが子供のおやつとして焼いて食べられていた他、喉や喘息の薬になると信じられていて、昭和時代までは殻を割って生食することも行われていたそうです。
また、殻ごと黒焼きにして民間薬として使用され、21世紀にはいっても黒焼きの専門店などでは、焼いたままのカタツムリや粉末にしたものが販売されていたのだそう。
(ライター ナオ)