カタツムリと言えば、子供の頃からとても馴染みのある生き物。
動揺にもなっているほど、雨の日の人気者です。
子供の頃、カタツムリを腕に乗せて這わせ、その後がカピカピになった経験がある人も少なくないはず。
何となくベトベトしたぬるっとした感じのあの粘液は一体何だったのでしょう。
カタツムリの粘液に隠された秘密に迫ります。
カタツムリの特徴
日本でカタツムリと言われるものは、オナジマイマイ科やニッポンマイマイ科に分類される種類です。
一般に移動能力が小さく、山脈や乾燥地、水域などを越えて分布を広げることが難しいので地域ごとに種分化が起こりやすいと言われています。
多くの種類は乾燥に弱い為、ある程度の湿度があるところに多く生息します。
ミジンマイマイやウスカワマイマイのように海岸や畑地、道路や人家周辺などに生息するものや深山にしか生息しない種類もいて、中には岩の表面に棲むもの、朽ち木にいるもの、あるいは樹上性のものなど、限られた条件にのみ生息するものもいます。
貝殻の材料となるカルシウムはカタツムリにとっては補給の難しい資源で、個体数の制限要因となり得ます。
したがって、それを豊富に供給してくれる石灰岩地はカタツムリにとって好的な環境といえ、その分種類や個体数が多いと考えられます。
例えば、沖縄諸島のさんご礁の森林などではカタツムリの個体数はとても多く、貝殻を踏まずには歩けないほどの数がいるそうです。
カタツムリの粘液
カタツムリは殻から出ている部分の体の裏から大量の粘性の液体を出しています。
これはカタツムリが前に進むための重要な液体で、この粘性の液体があることによって、カタツムリ独特の這うような滑らかな動きが出来ているわけです。
例え、ざらざらで凸凹のある場所でなく、ガラスのようなつるつるの面や細い針金、草のツルなどのような場所でも、この粘液があるおかげで体全体が吸盤のようにぴったりと張り付いて簡単に落ちることはないのです。
また、カタツムリの粘液は体を乾燥から守る働きもしています。
カタツムリが休眠状態に入るとき、体から出した粘液によって殻の入り口に蓋をします。
これは、休眠中に体が乾燥してしまうのを防ぐ為なのです。
また、それ以外でもカタツムリ自身の体が傷ついたときに液体を出して治したり、敵から身を守るために粘液を出すこともあるそうで、カタツムリを触ったり捕まえたりすると必ず粘々しているのは、その成果もしれません。
カタツムリの粘液の成分
カタツムリの粘液は古くから美容や治療の分野で利用されてきました。
その歴史は遡ると古代ローマの時代にまでなるそうです。
最近ではカタツムリエキスの配合されたクリームや化粧品が販売され、人気を博しています。
その火付け役となったのは韓国ですが、現在は日本制の化粧品も沢山販売されています。
カタツムリの粘液には美容によいタンパク質の一種、プロテアーゼが含まれています。
他にもグリコール酸、アラントイン、コラーゲン、エラスチンなどの成分も含まれていることがわかり、消炎作用や肌の新陳代謝を高める働き、細胞増殖効果など様々な効果が期待できるとしてクリームや治療薬として今や空前絶後の大人気!?なのだそう。
カタツムリの粘液の危険性
一方でカタツムリは種類によっては広東住血線虫などの寄生虫を持っているものもいます。
カタツムリを触った後にきちんと石鹸や洗剤で手を洗わなければ、直接口やめから感染する恐れがあり、とても危険です。
人が感染してしまうと菌が眼球や脳などの主要器官に侵入する可能性があるので、重い障害が起きたり、時には脂肪することもあるほど恐ろしい菌です。
化粧品や薬剤などは、信頼性のある製品を使うことをおすすめします。
(ライター ナオ)