大きくて強い牛と言えば、「バイソン」と「バッファロー」がまず思い浮かびます。
しかしどちらもなんとなーく似たようなイメージがあるだけで、具体的にどこがどう違うのかなどは全く知りません。
そこで今回はそんなバイソンとバッファローの違いについて調べてみました。
バイソンとバッファローの違い
見た目の違い
バイソンは体長2.5m~3.8m、体高は2m前後。
脊椎の突起が長いため、横から見ると肩がコブのように盛り上がっているのが特徴です。
また、頭部から肩にかけては長い体毛で覆われており、角は短く最大でも50cmほど。
バッファローは体長2.5m~3m、体高さは1.5~2m。
肩はなだらかで体毛は全体的に短く、四肢下部の体毛が白いのが特徴です。
角は長く平均的な長さは1m、長いものだと4mを超える個体もいます。
大きさはバイソンと大体同じくらいですが、毛や角の長さなどは全く違うのがわかりますね。
生息地
バイソンの生息地はヨーロッパとアメリカ。
現在ではヨーロッパバイソンは絶滅の危機に瀕しており、人工的に飼育されている個体のみになってしまっています。
というわけで、実質野生の個体がいるのはアメリカのみ。
主に森林や草原に生息しています。
バッファローはインド、タイ、ネパール、バングラデシュ、ミャンマーに生息。
家畜と交雑したものや家畜が野生化したものは、東南アジアやオーストラリアなどにも分布しています。
河川の周辺や沼沢地などの水辺で生活しています。
このように、違いを詳しく見てみると、両者はそんなに似ていないことがわかります。
というか、「牛」「茶色い」という以外に、共通点はないように思いますね。
それではなぜ、こんなにもバイソンとバッファローは似ているというイメージが強いのでしょうか。
その答えは、アメリカでのバイソンの呼び方にあります。
実はアメリカではバイソンの事をバッファローと呼ぶことがあるんですよ。
元々はヨーロッパで野牛(=水牛)の事をバッファローと呼んでおり、それが水牛のいないアメリカでは「バイソン=野牛=バッファロー」となったのではないかと言われています。
両者が似ていると思っている人は、どちらもバイソンのことをイメージしているのではないでしょうか。
余談ですが、野球チームの「オリックス・バファローズ」のマスコット「バファローブル」と「バファローベル」は、ちゃんと本来の意味での「水牛」をモチーフにしている感じですね。
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人間との関わり
見た目も生体も全く違うバイソンとバッファローですが、人間との関わり方も大きく違います。
バイソンはかつて主皮や肉を採るのを目的に狩猟されていました。
また、農業や牧畜を妨げる害獣として駆除の対象になったことも。
乱獲が行われた結果、その数は激減し、特にヨーロッパでは現在絶滅の危機に瀕しています。
バッファローは粗末な食べ物でもよく育ち、肉や乳を得られることから、家畜として重宝されてきました。
元々水辺で生活しているため沼地での行動に適しており、水田での労働力としても使われていました。
ただし、野生種については生息地の開発などで、その数を減らしてきていると言います。
バイソンとバッファローについてのまとめ
呼び方がややこしいだけで、本来は全然似ていない牛だということがわかりましたね。
バイソンの事をバッファローと呼んでも間違いではないけれど、厳密に言えば違うということを頭に入れておきましょう。
子供に「動物園でバッファローが見たーい!」と言われた時は、どちらのことを言っているのかちゃんと確認しましょうね!
もし間違えてたら、「これじゃない!」と怒られちゃいます。
(ライター もんぷち)