体に生えた鋭い針が特徴の「ヤマアラシ」。
あまり身近な動物ではありませんが、動物園などに行くと見かけることもありますよね。
もしかして、家でも飼うことができるのでしょうか?
そこで今回は、ヤマアラシの生態に加えて、ペットとして飼育できるのかどうかという疑問についてまとめてみたいと思います。
ヤマアラシってどんな動物?
実はヤマアラシは「ヤマアラシ科」と「アメリカヤマアラシ科」の二つのグループに分かれています。
この二つのグループは「体に鋭い針を持つ」という共通点はあるものの、実は全く別のルートで進化していった動物なため、近縁な関係にあるわけではありません。
見た目や生態も結構違います。
一般的に、ヤマアラシを言われてみなさんが想像する姿は「ヤマアラシ科」の方ですね。
ですので、今回はヤマアラシ科のほうを重点的に紹介していきます。
生息域
生息域はアジアとアフリカ、そしてヨーロッパのごく一部。
地上性で、地中に掘った巣穴や岩陰などで生活しています。
大きさ
種類によって大きさには差があります。
体長は約18cm~90cm、大きい種では体重が30kgになることも。
食性
攻撃的な性格とは裏腹に、食性は意外にも植物性。
果物、木の葉、草、樹皮などを食べます。
針
ヤマアラシの特徴と言えば何と言っても鋭い針。
背中、脇腹、しっぽの部分は硬い針のような毛が混ざっており、身の危険を感じるとこの針を逆立てて威嚇します。
「ハリネズミ」の針との大きな違いは、「針が抜ける」こと。
威嚇で逃げない相手の場合、後向きに突進して相手に体当たりし、針を突き刺すのです。
この針はゴム長靴くらいなら軽く貫通する威力を持っており、刺さりどころによっては致命傷を与えることも。
毒があるわけではないですが、刺し傷から体内に細菌などが入り込み、感染症により死に至る場合もあります。
実はこの針、黒と白の縞々模様になっており、これはハチの模様などと同じく捕食者に対する「警戒色」なのです。
弱点
鉄壁の防御力を持っていると思われるヤマアラシですが、実は弱点もあります。
それは頭部や腹部などの針がない部分。
一匹でいる時に周りを囲まれてしまうと、どうしても頭部や腹部を守ることができずに襲われてしまうのです。
しかし、そんな時も家族でいれば安心。
互いに頭部を寄せ合って円陣を組み、弱点である頭部や腹部を守るのです。
「背中は任せた!」の反対というわけですね。
ヤマアラシはペットにできる?
ハリネズミは最近ペットとしてじわじわと人気が出てきているようですが、ヤマアラシはどうなのでしょう。
飼育することは可能なのでしょうか?
結論から言うと、可能か不可能かで言えば「可能」。
ネット通販でも売っているお店がありました。
しかし、一般家庭で飼育するのはかなり難易度が高いかと思います。
まずヤマアラシを飼育する環境を整えるのに一苦労。
意外と大きい動物ですから、飼育場所もそれなりの広さが必要です。
また、無事に飼育を始められたとしても、心配なのは何かあった時に診察してくれる動物病院がほぼないということ。
ハリネズミならまだしも、ヤマアラシを診察できる動物病院というのは本当にレアです。
そして何よりも危険!
一度でも攻撃されれば針まみれで傷だらけ。
感染症にかかるリスクもあります。
以上のような理由から、一般家庭での飼育はあまりおすすめできません。
ヤマアラシについてのまとめ
ヤマアラシは、動物園で眺めるだけにとどめておくのが無難かと思います。
やつらは猛獣すらも蹴散らす防御力兼攻撃力の持ち主です。
それでも危険を顧みず、ペットとして飼育してみたい!という人は、十分に気を付けて飼育してくださいね。
(ライター もんぷち)