先天的にメラニンが欠乏していることにより、真っ白な肌や毛を持つアルビノ。
人間を含む様々な動物のアルビノが存在します。
ここで一つ疑問なのが、「ホワイトタイガーってアルビノのトラなの?」ということ。
果たしてホワイトタイガーはただの白いトラなのか、それともアルビノのトラなのか…。
そんな疑問についてまとめていきたいと思います。
ホワイトタイガーってアルビノ?
結論から言うと、ホワイトタイガーはアルビノではありません。
また、「ホワイトタイガーという種類のトラ」というわけでもありません。
突然変異により白い体毛を持ったトラの事をホワイトタイガーと呼ぶのです。
「それ、アルビノと何の違いが…?」と思われるかもしれませんが、白くなるメカニズムが根本から違います。
アルビノというのは、先天的な遺伝子の疾患で、メラニンが欠乏しているために起こります。
それに対してホワイトタイガーは「白変種」と呼ばれるもので、正常な遺伝子の働きによりあえて白くなっているもののことを言います。
もっと簡単に言うと、「メラニンを作りたくても作れなくて白くなっているのがアルビノ」「メラニンを作れるけれどあえて白くなっているのが白変種」といった感じでしょうか。
その証拠に、アルビノが瞳の色を含め全体的に色素が欠乏しているのに対し、白変種では黒い毛がある部分もあったり、瞳の色は普通だったりします。
ホワイトタイガーも、通常黄色い部分の毛は白くなっていますが、黒い縞模様はそのままですよね。
なぜ白変種が生まれるのか
遠い昔、地球がまだ氷河期だったころ、保護色となる白色は生き抜くためにとても有利な色でした。
そこで、トラの祖先の中には毛が白くなるものが出てきます。
そして氷河期と間氷期を繰り返す間に、白い毛の遺伝子が組み込まれていったのです。
しかし氷河期が終わりを告げると、白い毛では逆に目立つようになってしまい、次第に今の毛色へと変化していったと言われています。
現在のトラにも白い毛の遺伝子は残ったままなので、それが突然変異で表に出てきてしまったのがホワイトタイガーというわけなんですね。
ちなみに、基本的にはどの種類のトラが白変種になっても「ホワイトタイガー」と呼びますが、現在確認されているのはベンガルトラの白変種のみだそうです。
アムールトラの白変種の目撃情報もあるようですが、確かなものではないようで…。
現在確認されているホワイトタイガーは世界で250頭ほどで、そのすべてが飼育下のもの。
野生下では、獲物に見つかりやすかったり密猟の対象になったりで、ほぼ確認されていません。
そもそもトラ自体が絶滅危惧種に指定されるほど数が減少しており、それに加えてホワイトタイガー同士を掛け合わせても必ず白い個体が生まれるわけではないので、かなりの希少種となっています。
日本国内では比較的多くのホワイトタイガーが動物園などで飼育されており、現在は30頭ほど。
飼育している動物園を一覧にしてみたので、ぜひ見にいってみてください。
- 那須サファリパーク(栃木)
- 群馬サファリパーク(群馬)
- 東北サファリパーク(福島)
- 伊豆アニマルキングダム(静岡)
- アドベンチャーワールド(和歌山)
- 東武動物公園(埼玉)
- 姫路セントラルパーク(兵庫)
- 秋吉台自然動物公園(山口)
- しろとり動物園(香川)
- とべ動物園(愛媛)
- 大牟田市動物園(福岡)
- 平川動物公園(鹿児島)
ホワイトタイガーについてのまとめ
とても希少なホワイトタイガーを、日本では数多くの動物園で見ることができます。
これはとてもありがたいことですね。
特に赤ちゃんは信じられないほどかわいいので、もし「ホワイトタイガーの赤ちゃんが生まれた」というニュースを耳にしたら、ぜひ見に行ってみてください。
(ライター もんぷち)