土の中に穴を掘って生活しているモグラ。

その存在は誰もが知っているとは思いますが、実際の姿を見たことがある人は少ないのではないでしょうか?

 

じつはモグラ、とっても可愛くて面白い生き物なんです!

今回はそんなモグラについて、生態や飼育できるのか?という点について、調べてみました。

モグラの生態

モグラはヨーロッパ、アジア、北アメリカに生息しており、南半球では確認されていないそうです。

世界中にいそうなのに、ちょっと意外ですね。

地中に穴を掘り生活をしており、体も地中生活に特化した形に進化しています。

目は非常に小さく体毛に埋まっており、中には皮膚の下に埋まっている種も。

 

視力はほとんど発達しておらず、わずかに明度が感知できる程度。

前肢は大きく5本の爪があり、それを使って地中を掘り進めます。

 

「穴掘りが大得意!」というイメージがありますが、じつはモグラが穴を掘るスピードはカタツムリが移動するよりも遅いんですよ。

それほど穴掘りは重労働なんです。

 

そのため、モグラは積極的に穴を掘って移動はせず、基本的には既存の巣穴を修復したり改修したりする程度。

「穴掘りが得意」「穴掘りが好き」というわけではなかったんですね。

モグラの飼育について

モコモコしていて、小さなぬいぐるみのような姿はとても愛らしいですよね。

飼育してみたい!という人も多いはず。

 

果たして、モグラは家で飼育することが可能なのでしょうか?

結論から言うと、モグラを飼育するのは「ほぼ不可能」です。

その理由はいくつかあるので、順番に見ていきましょう。

餌の確保が困難

モグラは小さな体に似合わずかなりの大食漢で、1日で自分の体重とほぼ同じ量の餌を食べます。

餌となるのはミミズや地中にいる幼虫などですが、それらを十分な量確保するというのはかなり困難。

 

目安としては一日にミミズ60匹以上食べるそうなので、いかに餌の確保が困難かが分かると思います。

釣り具店などで購入するとしても、一日分で数百円、一か月では確実に一万円以上。

 

生き餌が望ましいので、たびたび買いに行ったりするのも手間です。

また、モグラの体はとても燃費が悪く、12時間以上食べないと餓死してしまうのです…。

 

これほど餌切れに弱い動物は珍しいですよ。

この性質を知らずにいると、1日で餓死させることにもなりかねません。

飼育設備の確保が困難

モグラは土の中で暮らす生き物なので、飼育するとなると当然その環境を再現しなければなりません。

もし一般家庭で飼育するとなると大きな水槽などに大量の土を入れて飼育するような形になります。

 

動物園などでは金網を丸めたものやパイプなどを使って飼育するそうですが、一般家庭ではそれも難しいですよね。

どちらにせよかなり大掛かりな飼育設備が必要となるため、飼育は難しいとされています。

厳重な管理体制が必要

モグラは大変デリケートは生き物です。

よく「モグラは太陽に当たると死んでしまう」と言われますが、光自体に弱いわけではありません。

 

太陽の光で体が温まりすぎることによって死んでしまうのです。

このように暑さに弱く、さらに寒さにも弱く、温度管理を徹底しないとすぐに弱ってしまいます。

12時間餌を食べないと餓死するという性質からも、おちおち学校や仕事にも行けません。

手に入らない

モグラは畑などによく出没しますが、それを捕まえて飼育することは鳥獣保護法違反になります。

そのため当然ペットショップなどでは売られていませんし、まず手に入れることはできないでしょう。

例外的に、研究目的のためなどでは許可が下りることもありますが、「ペットとして飼いたい」という理由では無理です。

モグラについてのまとめ

身近なようであまり馴染みのないモグラ。

12時間で餓死してしまうとか、穴掘りのスピードがすごく遅いとか、意外な生態が続々と出てきましたね。

どうしても飼育したい!という人は、モグラの研究者になるか、それともモグラ専用の畑を作って広い意味でそれを「飼育」とするか…。

(ライター もんぷち)