鹿にとっても似ている「キョン」を動物園などで見たことはありますか?

クリクリとしたおめめがとっても可愛いですよね。

 

そんなキョンですが、中国では昔からキョンのお肉が食べられているそうですよ。

いったいどんな味がするのでしょうか・・・気になります。

キョンの生態

キョンは中国東部、台湾に生息しています。

日本では千葉県と伊豆大島の森林に生息しています。

日本の動物園で飼育していたキョンが脱走して、野生化し、日本に生息するようになりました。

キョンはもともと日本に野生で生息していなかったのです。

 

キョンの体長は約70~100cmで、体重は10~15㎏です。

体高は40~50cmしかなく、小型の鹿のようです。

 

ニホンシカの赤ちゃんに間違われる事もあるほどです。

体の色は赤褐色や黄褐色をしていて、顔に黒い線のような模様が入っています。

 

キョンのオスには15cm程の短い角と牙があります。

キョンの目の下には穴が開いています。

 

これが目に見えて、目が4つあるように見えるので、キョンは別名「四目鹿(ヨツメジカ)」とも言います。

キョンは基本的に木の葉、果実などを主に食べるのですが、ネズミや鳥類などを食べることもあります。

キョンは単独派なので群れは作りませんが、縄張り意識が強いです。

 

身軽で動きも素早いです。

ヒョウやトラなどの敵がいた時には、キョンにしかわからない音をひづめで出して仲間に知らせます。

キョンの鳴き声は犬に似ていると言われていて、「ウォーッ」と大きな声で鳴くそうですよ。

 

キョンの繁殖力は最強です。

メスは生後6ヶ月で妊娠する事ができ、一年中繁殖出来ます。

日本ではこのキョンの繁殖力に悩まされています。

キョンの種類

キョンの種類は世界で6種類確認されています。

日本に生息しているキョンは中国・台湾に生息しているキョンと同じ種類のキョンです。

 

ボルネオにはインドキョンとボルネオキョンの2種類のキョンが生息しています。

日本に生息しているキョンよりインドキョンとボルネオキョンは大きめです。

キョンと人間の関係

キョンは2005年に農業物に被害を及ぼすとして「特定外来生物」に指定されました。

千葉県の房総半島では、ゴルフ場や民家の庭などに頻繁に出現しています。

 

樹木や花壇のお花などを食べてしまったりと、被害が増え続けています。

農家では、イネやイモ、イチゴなどの野菜が食べられていて、被害を受けています。

 

さらにキョンの個体数も増え続け、14年間で50倍近く数が増えています。

駆除計画はなかなか進んでいないのが現状です。

 

伊豆大島では、イネやトマト、みかんやすいかなどを食べられて、農作物被害を受けています。

名物の明日葉も大量に食べられていて、お金にすると年間で400万円ほどの被害を受けています。

現在は伊豆大島の人口よりもキョンの個体数の方が多いそうです。

キョンは食用なの?

キョンは中国・台湾で食用としてお肉が食べられています。

キョンのお肉を薄切りにして野菜炒めなどにするのが中華料理では主流です。

 

見た目は鹿のお肉に似ていますが、鹿肉よりもクセがなく、柔らかいでそうですよ。

キョンのお肉でビーフシチューなど美味しそうですね♪

キョンの皮は最高級品

238年、卑弥呼が中国からの返礼として金印と一緒にキョンの皮を贈られ、宝物とされていました。

キョンの皮はきめが細かく繊細で、今ではキョンのセーム革は最高級品とされています。

 

キョンは皮が高級品であるだけではなく、キョンのお肉も美味だと言われています。

キョンは日本において農作物に重大な被害をもたらしていますが、キョンをうまく利用することはできないでしょうか?

駆除するだけではなく、日本にとって利益をもたらすキョンになるといいですね。

(ライター 雲呑)