ゴリラは哺乳網・霊長目・ヒト科・ゴリラ属に分類される種の総称です。
ここでは、ゴリラとその知能について紹介します。
ゴリラの生態
ゴリラは、オスの体長が170~180センチ、体重が150~180キロ、メスは150~160センチ、体重が80~100キロです。
ゴリラのオスは、生後13年で背の体毛が鞍状に白くなります。これはシルバーバックと通称されています。
また、ゴリラは、アンゴラやウガンダ、ガボン、カメルーン南部、コンゴ共和国東部、赤道ギニア、中央アフリカ共和国南部、ナイジェリア東部、ルワンダに分布しています。
ゴリラは多湿林に生息します。
ちなみに、ガボン(国土の80 %以上を熱帯雨林が占める)では、ニシゴリラの基亜種(ニシローランドゴリラ)が、国内のサバンナを除く環境(海岸の林)にも生息することが判明しています。
ゴリラの食性は、植物食傾向の強い雑食です。
果実、植物の葉、アリやシロアリなどの昆虫を食べます。
ゴリラは低地では、種にかかわらず果実食傾向が強く、果実が豊富な環境では果実をおもに食べています。
ゴリラの知能
ゴリラの知能は、霊長類ではチンパンジーに次いで高いとされています。
ちなみに、ゴリラの脳化指数は、以下の通りです。
ヒト 7.4~7.8 バンドウイルカ 5.3
チンパンジー 2.2~2.5 シロガオオマキザル 4.8
ゴリラ 1.5~1.8 クジラ 1.8
アフリカゾウ 1.3 カラス 1.25
脳化指数は、 [定数] × [脳の重量] ÷ [体重]2/3 で算出される値のことで、動物知性の指標としてハリー・ジェリソンが1973年に考案しました。
ゴリラのその他雑学 その1
高度な知能をもつ「ココ」は、メスのローランドゴリラで、1971年7月4日、アメリカ合衆国サンフランシスコの動物園で生まれました。
手話を使って、世界で初めて人間との会話に成功したゴリラです。
およそ2000語を理解し、「嫉妬」や「恥」などの概念も理解しています。
また、それだけでなく1000以上の手話も習得し、痛みを意味するジェスチャーと口を指さす仕草で「歯が痛い」と飼育係に訴えました(その後、虫歯の治療を受けました)。
猫をペットにする
飼育係のパターソンがココに絵本を読み聞かせていたところ、ココは絵本に出てきた猫を気に入り、誕生日のプレゼントに猫をおねだりしました。
パターソンは、おもちゃの猫を与えましたが、ココは気に入りませんでした。
そこで本物の生きた子猫を与えることになりました。
当初は、ココが子猫を殺してしまうことが危惧されました。
しかし、ココは子猫の体を舐めたり、抱きかかえたりして、愛情を注いで子猫を育てました。
ゴリラのその他雑学 その2
2005年、大人のメスのローランドゴリラが、コンゴ共和国のヌアバレ・ンドキ国立公園で、杖を使って水深を測る様子が確認されました。
野生のゴリラの道具使用が確認されたのは、初めてのことです。
チンパンジーやボノボ、オランウータンの道具の使用は、すでに知られていましたが、道具を使う必要性がないゴリラは、その能力を失ったと考えられていました。
なぜ、ゴリラは道具を使う必要がないのでしょうか?
それは、ゴリラが大型類人猿のなかでも最大で、しかも、木の実を簡単に砕く歯を持っているからです。
アリ塚も素手で粉砕できるため、道具を使わずにシロアリを補食できるというわけですね。
しかし、杖を使う姿が観察されることによって、「道具使用に必要な知能は、ゴリラが人間やチンパンジーなどと分岐する前に進化した」とする説が有力になりました。
研究チームは、「人間に固有ではない証拠がさらに増えた」と述べています。
ゴリラのまとめ
以上、ゴリラとその知能についていかがでしたか?
ゴリラは、考えるよりも行動、いわゆる脳筋のイメージで語られることが多いのですが、実は知能が非常に高いです。
腕力と知性を兼ね備えたゴリラ、おそるべしですね。
(ライター ジュン)