イノシシは、鯨偶蹄目・イノシシ科の一種です。
十二支の12番目の「亥」であり、犬と同じくらい鼻が敏感です。
また神経質な動物でもあります。
ここでは、そんなイノシシの対策方法を紹介します。
イノシシの生態
イノシシは、古くから狩猟の対象とされてきた動物の1つです。
非常に神経質で警戒心の強い動物でもあります。
本種が家畜化した動物がブタです。
イノシシは、その見た目とは裏腹に、実は、俊敏で優れた身体能力を持っています。
イノシシの特徴的な能力は以下の通りです。
- 鼻で掘り返す。その能力が非常に高い
- 60~70キロぐらいの物なら鼻で持ち上げる
- 1メートル程度の高さなら飛び越える
- 20センチほどの隙間があればくぐり抜ける
イノシシの生息域
イノシシは、もともとはアジアやヨーロッパなどを中心に生息していました。
それが人間によって、イノシシまたはその家畜化されたブタが再野生化したものが、アメリカ大陸やオーストラリアなどに放されました。
その結果、イノシシはその生息域を爆発的に広げることになりました。
イノシシの生息域は、低山帯から平地にかけての雑草が繁茂する森林から草原です。
水場が近い場所を好みます。
イノシシの名前の由来
イノシシのことを古い大和言葉では「ヰ(ウィ)」と呼びました。
イノシシは「ヰ(猪)のシシ(肉)」が語源であり、シシは大和言葉で「肉」を意味します。
ちなみに現代中国語では、「猪(豬)」の漢字は、主にブタの意味で用いられており、イノシシは「野猪(豬)」と呼んで区別しています。
イノシシの食性
イノシシの食性は、山林に生えている植物の根や芋など、ドングリ、タケノコ、キノコなどです。
草食のようにみえますが、実は、非常にかたよった雑食性のようです。
芋類はその鋭い嗅覚で嗅ぎつけ、吻と牙で掘り起こして食べます。
季節の変化に応じて昆虫類、ミミズ、サワガニ、ヘビなども食べます。
農作物を求めて人家近辺にも出没することもあります。
穀物も採餌対象で、田畑で実った稲やトウモロコシも食べます。
イノシシの益害
イノシシは、足が短く雪が苦手なため、豪雪地帯には生息しないとされてきました。
しかし、長野市、須坂市など長野県北部の市街地にも出没し、人的な被害が報告されるようになりました。
また、太平洋側では宮城県南部が分布域の北限とされてきましたが、近年は北上傾向にあり、仙台七夕用の竹の被害などが報告されています。
九州の離島でも、農作物への被害が相次いでいます。これは本土やほかの島から泳いで渡ってきたイノシシの被害とみられています。
イノシシと人間との関り
イノシシは、縄文時代にはシカとともに主要な狩猟対象獣でした。
北海道や離島からも骨が出土しており、これらの島には人為的に持ちこまれたと考えられています。
山梨県北杜市大泉町の金生遺跡からは、焼けたイノシシ幼獣の下顎骨がまとまって出土しています。
ちなみに、イノシシは多産であることから、縄文時代には豊穣の象徴とされていたようです。
土器の紋様にはイノシシの装飾が見られます。
金生遺跡の焼骨も何らかの祭祀に関わる遺物であると考えられています。
なお、イノシシは現在も狩猟対象獣です。
その商品価値は食肉用として高く、ほかの対象鳥獣と比較しても人気があります。
農地への侵入対策
イノシシを農地に近寄らせない方法としては、以下のやりかたが効果的です。
- 侵入防止のための柵を設置する
- イノシシが嫌う臭いや、音、光などを利用して警戒させる
- ヤブを刈り払う(イノシシが隠れ場所として好むため)
農家ではトタンの柵や電流が流れる柵などで対策されているようです。
山での遭遇対策
イノシシに山で遭遇したら、落ち着いて後退しながらその場を立ち去りましょう。
遠くの場合は、イノシシから見えないところに隠れます。
人を気づかずにゆっくりと歩いていたり、エサを食べている場合は、あわてて走り出したりはせずに、落ち着いてまずは深呼吸、向かい合ったまま後ずさりでその場から立ち去ります。
また、イノシシの子(うり坊)を見かけても、かわいいからと近づいたり追いかけたりはしないでください。おそらく近くに母イノシシがいます。
ちなみにイノシシの走る速さは、時速48キロ。ウサイン・ボルトよりも余裕で速いので、世界記録を更新しない限りはまず逃げきれません。
イノシシのまとめ
イノシシ対策についていかがでしたか?
イノシシは、跳躍力が高く突進力もあるので非常に危険です。
最近は、市街地にも出没するというニュースがあります。
見かけた場合は落ち着いて冷静に対処しましょう。
(ライター ジュン)