ウサギは、哺乳綱・ウサギ目・ウサギ科・ウサギ亜科の動物の総称です。ここではウサギの性欲とその真相に迫ります。
ウサギの生態
ウサギは、全身が柔らかい体毛でおおわれている小型の動物です。
最大種はヤブノウサギで体長50~76センチ。
耳介がほかの動物に比べて大型です。
ストレスに非常に弱くて、絶えず周囲を警戒しています。
ウサギは、草原や半砂漠地帯、雪原、森林、湿原などに生息します。
食性は植物食で、草や木の葉、樹皮、果実などを食べます。
ウサギは、ほぼすべての種が時速60~80キロで走れます。
そして、ウサギのなかでもアナウサギは周年繁殖動物に分類されます。
一年中すべての季節が繁殖期なので、いつでも繁殖することが可能なのです。
ウサギは性欲が強いって本当?
発情期が死ぬまで続く生き物は、人間とウサギ(アナウサギ)だけだと、いわれています。
ウサギは、非常に性欲が強い動物です。
動物は一般的には、発情期以外に繁殖をしませんが、しかしウサギと人間だけは例外で、生涯いつでもどこでも発情できるのです。
実際、ウサギのオスの性欲はすさまじく、ペットとして飼っていると人間にも発情してしがみついてきますし、室内犬やネコに性的な意味で襲いかかることもあります。
この状態が季節(発情期)に関係なく一年中続き、しかも死ぬまで現役です。
人間にもそんな性豪がまれに現れニュースになったりしますが、すべての人間男性がそうだというわけではありません。
さて、そんなウサギのオスの発情っぷりに対応したのか、メスは交尾がキッカケで排卵します。
これを交尾排卵動物といいます。
ちなみに、人間など一定期間の排卵リズムを持つ動物は、周期排卵動物といいます。
というわけで、ウサギは妊娠する確率が非常に高いのです。
さらにいうと、ウサギのメスは妊娠中でも交尾できます。
そしてもう一度、妊娠できます。
お腹のなかに胎児がいるのにもかかわらず、もう1匹、胎児ができるのです。
ちょっと何を言っているのか分かりませんが、ようするに、ウサギのメスは大きさと出産時期の違う2匹の赤ちゃんを、同時に宿すことができるのです。
しかもウサギのメスは出産直後に発情しますから、性欲が強いなんてもんじゃありません。
性欲、繁殖力ともに最強の動物……
とまで言えば、さすがに言いすぎかもしれませんが、しかし哺乳綱のなかでは性欲最強でまず間違いないでしょう。
ウサギのその他雑学など
アメリカの高級ナイトクラブ「プレイボーイクラブ」は、性的誘惑のシンボルとしてウサギを採用、1960年にフロアスタッフの正式なコスチュームにしました。
以後、このバニーガールのコスチュームは、カジノやバーなどで広く採用されるようになりました。
また、イギリスは過去に、ウサギの繁殖力のせいで緑が失われる危機がありました。
イギリスでは、16世紀あたりからキツネ狩りが貴族のスポーツとしておこなわれていたのですが、これが産業革命によって各地の各階層に爆発的に広まりました。
その結果、ブリテン島ではキツネが絶滅寸前まで減ったのです。
で。
このキツネが、ウサギの天敵だったわけです。
ウサギは、天敵がいなくなったことにより大繁殖しました。そしてウサギが木の苗を食べまくったことで、イギリスには新しい木がまったく生えなくなってしまったのです。
この社会問題は、19世紀から20世紀にかけて深刻化しました。
イギリスは、この問題に対処するべく、国をあげてウサギ狩りをおこないました。
それでもウサギの繁殖力に追いつけないので、ついにはウィルス散布によって、頭数をコントロールすることになったのです。
ウサギのまとめ
以上、ウサギとその性欲についていかがでしたか?
ウサギは天敵が多く、子孫を残すために常に発情・繁殖している動物です。
それが何かのキッカケで天敵がいなくなると、上記のイギリスのように、とんでもない自然破壊がおこなわれてしまいます。
ウサギは、かわいくておとなしい動物だと思っていたのですが、実はワイルドなんですね。
ちょっと意外でした。
(ライター ジュン)