ハイエナというとどうしても日本では他の獲物の餌を横取りする凶暴でずるい奴というイメージが強くなってしまいますが、世界を見渡せば、そんなハイエナをペットとして飼っている国もあるようで・・・。
そんなハイエナ事情についてまとめてみました。
ハイエナの特徴
ハイエナはネコ目ハイエナ科に分類される動物で、種類によってサハラ砂漠より南のアフリカや中東、トルコ、ロシア南西部、インドの一部にも生息しています。
現生するのは4種で、そのうちアードウルフと言われる一種だけは昆虫食。その他のハイエナは皆、強力な頭骨と顎、消化器官を持っています。
ブチハイエナの特徴と生態
ブチハイエナは哺乳類ネコ目ハイエナ科ハイエナ属に分類される食肉類です。
アフリカ大陸のサハラ砂漠、コンゴ盆地、アフリカ大陸最南端部を除く地域に分布しています。
体長は90~165㎝、体重は40~86kgでハイエナ科では最大種デス。
オスよりもメスの方が大型で、全身は短い体毛で粗く覆われています。
尾の先端には房状の体毛が伸長し、毛衣は木褐色で濃褐色や黒の不規則な斑紋が入ります、
小臼歯はとても頑丈で顎の力も強く、捕らえた獲物を嚙み砕くことができます。
腐肉を漁ったり、他の動物の獲物を横取りするイメージの強いハイエナですが、ブチハイエナは優れた俊足と並外れた体力を持ち合わせている優秀なハンターなので、食べ物のうちの6割は自分たちで捕らえた獲物です。
ブチハイエナは草原などに生息し、夜行性です。
単独かペアで生活する個体群もあれば、何十頭からなる群れを形成し、複数のクランを渡り歩いたり、新しくクランを作る個体群もいます。
食性は動物食で主に20kg以上の哺乳類を食べますが、鳥類や爬虫類、魚類、昆虫、動物の死骸なども食べます。
主に狩りを行って獲物を食べますが、他の動物が倒した獲物を奪ったり、倒した獲物の一部を後で食べたり、水中や泥中に貯蔵する為に運搬したりもします。
カッショクハイエナ
カッショクハイエナは南アフリカ共和国、ザンビア、ジンバブエ、ナミビア、ボツワナ、モザンビーク等に生息しています。
体長は110~140㎝で、体重は35~50kgです。
頸部から胴体にかけての体毛が長く、脚の横の島模様があるのが特徴です。威嚇する際には長い体毛を逆立てます。
食性はブチハイエナと同じです。
シマハイエナ
シマハイエナはアフリカ各地からインドなどのユーラシア大陸にかけて生息しています。
主な生息国はアフガニスタン、イスラエル、インド、エジプト、ギニア、ケニア、スーダン、トルコ、ネパール、パキスタン等で、体長は100~120㎝、体重は22~55kgデス。
白っぽい体毛で黒い横島模様が入るのが特徴です。
シマハイエナは5亜種に分類されています。
ペットとしてのハイエナ
ナイジェリアでは薬売りと呼ばれる一団がハイエナの頸に思い鎖をつけ、口にはしっかりとガードをして町を歩いています。
彼らが通ると人々はみな彼らに注目し、見世物状態になるのだそうです。
彼らはハイエナを引き連れ、怪しいセリフで薬を売り歩いているのだとか。
また、エチオピアのハレーンには幾人かのハイエナマンと呼ばれる、ハイエナに餌付けをしている人たちがいます。
彼らは町の観光にも一役かっており、海外からの観光客たちに餌付けの様子を見せています。
一匹ずつにしっかりと名前が付けられていて、名前を呼ぶとハイエナが現れ、生肉を与えるといったパフォーマンスがとても人気です。
ハレーンのハイエナたちは十分に餌が当たっているからか、大人しく、従順でナイジェリアのハイエナのように首輪も口輪もはめられていません。
一般的にブチハイエナは野蛮で危険な動物と考えられていますが一方では強靭な体力などから神聖視されることもあるなど、国によってかなりの多面性を持っている動物のようです。
(ライター ナオ)