車で山道を走っていると、道路をサササッ!と一瞬にして横切っていく小さな生き物に遭遇することがあります。

おそらくイタチの仲間だろう…という想像はつきますが、国内にはイタチに似た動物がたくさんいて、どれがどれなのか見分けがつきづらいですね。

 

そこで今回は、その中でも「イタチ」と「テン」の違いについて見ていきましょう。

よく似ている彼らですが、どうやって見分けたら良いのでしょうか?

イタチとテンの見分け方

よく似ているイメージのある両者ですが、同じイタチ科の仲間だけあって、その姿はとてもよく似ています。

しかししっかり観察できれば見分けるポイントはいくつかあるので、まずは見た目の違いについて見ていきましょう。

大きさの違い

どちらも似たような大きさだろう、と思っている人が多いでしょうが、じつは大きさにも明確な差があります。

まずイタチは体長16~37㎝、尾を含めた全長は25~50㎝ほど。

それに対して、テンは体長44~55㎝、尾も含めた全長は60~75㎝にもなります。

テンのほうが、一回り程大柄ということですね。

 

オスとメスでも大きく差がありますし、もちろん個体差もあるので一概には言えませんが…。

小さな個体は大きさで見分けることは難しいかもしれませんが、大きな個体であれば一発で分かりますね。

糞の大きさの違い

もしも糞が近くに残されていたら、それも両者を見分けるための判断材料になります。

どちらも食性はほぼ同じなので色や形に大きな違いはありませんが、大きさには違いがあるのです。

 

身体が大きい分、テンのほうが糞も大きく一粒が1㎝ほどであり、それに対してイタチは6mm程度しかありません。

もし何かの動物が家に住み着いているけれど、姿が確認できない…という場合は、糞を確認してみましょう。

顔の特徴の違い

顔をよく観察すると、イタチは目下から鼻の周りが黒っぽくなっており、反対に口元は白いのが特徴です。

テンは顔全体が夏は黒っぽく、冬になると白っぽくなります。

イタチとテンの違い

見た目の違い以外にも、イタチとテンには異なる点があります。

生態の面からも、彼らの違いを一つずつ見ていきましょう。

食性の違い

どちらも同じ雑食性であり、小動物、魚類、甲殻類、昆虫、果実、木の実などを餌としています。

そのせいで、時には農作物に被害が出ることも…。

ただしイタチの方が肉食が強い傾向があり、逆に農作物をネズミなどから守ってくれる働きをすることもあるようです。

生息域の違い

テンは低山地から亜高山帯にかけて生息しており、あまり人里の近くで見かけることはありません。

一方、イタチは山や森林だけでなく、平野部の草地や人家周辺にもよく出没します。

一般的に目にする機会が多いのは、おそらくイタチの方ですね。

生活スタイルの違い

どちらも「木登り」が得意な動物なのですが、両者を比べるとテンの方が木登りが上手く、樹上で過ごすことも多いです。

それに比べると、イタチは地上で行動することが多いようです。

繁殖の違い

テンの繁殖期は年1回で一度に産む子供の数は2~4頭。

イタチの繁殖期は年に1~2回で、一度に産む子供の数は1~8頭です。

 

イタチのほうが圧倒的に増えやすいということですね…。

テンは毛皮を狙った乱獲のせいもあり、絶滅の危機に瀕している種もあります。

イタチとテンの違いについてのまとめ

様々な違いを見てきましたが、こうして見ると似ているようで違う点も多いのだなということがよくわかりますね。

もし彼らを見かける機会があったら、その違いをよく観察してみましょう。

慣れないうちは瞬時に見分けるのは難しいかもしれませんが、見慣れれば一発で見分けることもできるようになるかもしれませんよ。

(ライター もんぷち)