ハクビシンってご存知でしょうか。

名前は何となく知っていても、どんな動物か詳しく知っているひとは少ないのではないでしょうか。

 

一方で、農家の人などにとっては、害獣としておなじみの動物です。

そんなハクビシンの好きなものや特徴について調べてみました。

ハクビシンとは?

日本に生息する唯一のジャコウネコ科の野生動物です。

タヌキのような愛らしさとネコのようなしなやかな体つきを持っています。

 

体毛は灰褐色や黄褐色で、よくタヌキやアライグマとも間違われますが、額から鼻にかけて白い線があります。

この白い線は名前の由来にもなっていて、漢字で書くと「白鼻芯」と表します。

体長約50cm、しっぽが長く約40cmあります。体重は2~3kg程度で、オスはメスよりもひと回り大きくなります。

 

夜行性なので、昼間は屋根裏、樹洞、岩穴などに潜んでいます。

運動能力が高く、木登りが得意で垂直飛びは1mを超えます。

また、垂直の壁をのぼったり、電線などを綱渡りで移動したりなど、まるで忍者のような動きをします。

 

主な生息地は、東南アジアから中国です。在来種か外来種かは議論が分かれるところですが、日本には江戸時代以降に毛皮用として持ち込まれたという説があります。

現在は日本全国で生息が確認されていて、里山だけでなく首都圏の住宅街にも出没することがあるそうです。

ハクビシンの餌

ハクビシンは雑食で野菜、昆虫、爬虫類、小動物、鳥類、魚など、本当に何でも食べます。

しかし、どちらかと言えば草食寄りで、とくに糖度の高い果実が大好きです。

 

動物界の甘党なんですね。野生のハクビシンは、熟した果実を見つけると、毎晩同じ道をたどってその果実を食べに行くほどです。

そのため、ハクビシンの通った後には、獣道ができるとまで言われています。

もちろん、果物以外の農作物も食べてしまうし、最近では住宅地にまで現れ、生ごみなどもあさっているようです。

ハクビシンの被害

ハクビシンは甘いもの好きなので果樹園の被害が多く、農家の人たちにとっては悩みの種です。

日本の果物は、糖度が高く美味しいものが本当に多いので、ハクビシンの気持ちも分からないでもないですが、丹精込めた果物を食べられてしまっては、たまったものではありません。

 

農作物の被害は果物だけでなく、近くに畑があれば野菜なども食べ荒らしてしまいます。

また、人里に住んでいるハクビシンは、水槽のメダカや金魚まで食べてしまうこともあるそうです。

 

また、被害は農家の人だけではありません。

木登りが得意で、小さな隙間さえあれば、民家の屋根裏などに住み着いてしまうこともあります。

夜行性なので、夜中の鳴き声などの騒音や、糞尿などの被害に悩まされることになります。

あの昔ばなしに出ていた!?

タヌキが茶釜に変身して元に戻れなくなってしまったという昔ばなし、ぶんぶく茶釜という昔ばなしを知っていますか。

この昔ばなしに登場するタヌキは実はハクビシンだったのでは?という説があります。

 

根拠となるのが、物語の中でタヌキが綱渡りをするというエピソードです。

しかし、実際に綱渡りが得意なのは、タヌキではなくてハクビシンです。

顔がタヌキと似ていることから、混同されましただ、昔ばなしのモデルになったのはタヌキではなく、ハクビシンではないかと言われています。

身近なところにいるハクビシン

近頃は、タヌキよりもハクビシンの目撃情報が増えていると言われています。

あなたがタヌキだと思っているものはじつはハクビシンかもしれません。

 

都心での目撃情報も増えているので、案外私たちのすぐそばにいるのかもしれませんね。

知らない間に天井裏に住み着いていることもありますので、夜中に動き回る足音や鳴き声を聞いたらハクビシンを疑ってみましょう。

 

見た目が可愛いので、中にはペットとして飼っている人もいますが、野生動物なので飼育するには自治体の飼育許可証が必要です。

また、ハクビシンは野生なので、攻撃性も高いのが通常です。飼いたいと思っても、安易に捕まえたりしないようにしましょう。

ライター:さくら