豚と猪の違いなんて一目瞭然でしょ?と思っていませんか?
それは養豚場で飼われている白い豚の場合。
もともと豚は猪が家畜化されたものなので、共通点が沢山あるんです。
豚と猪の違い
猪は今でも野生のまま西日本を中心に生息しています。
色は黒で赤ちゃんは保護色の縞模様をしていて、野菜のウリにそっくりなことからウリ坊と呼ばれて親しまれています。
牙は長く立派で、90kgほどまで成長するのに1年かかります。
繁殖は一年に一回。
一回で5匹ほどの赤ちゃんを産みます。
一方、豚は11,000年前に中国でイノシシを家畜化することによって生まれた生物です。
体表は猪のように黒っぽいものもいますが、白や赤、褐色、灰色など様々な色をしていて、牙は退化して短くなっています。
硬い鼻先と強大な筋力は猪時代の名残。
実際人間のような丈の高い生き物を見ると突進して鼻先をまたぐらに突っ込み、頭部を持ち上げながら強くひねるといった、シャクリと言われる行動に出ることもあり、こうなると、大人でも簡単に吹っ飛ばされてしまいます。
90kgになるまでの期間は6か月ほど。イノシシに比べて腸が長く、胴長になっているのが特徴です。
繁殖は年に2~5回ほどで一回の出産で10匹ほどの子供を産みます。
1年で性成熟を迎えすぐに次の子供を産むことが出来るようになります。
豚と猪と人間の関わり
豚の肉は食用としてとても一般的で、養豚場は全国各地に存在します。
特に鹿児島県や宮崎県はその数が多く、黒豚なども有名です。
日本人にとっては無くてはならない食材のひとつで、かなりの日本人の胃袋を満たしてくれている動物です。
しかし、一方では太った人を悪く言う言葉として使われたり、汚れている部屋のことをブタ小屋という言い方をしたりと酷い扱いをされている面も・・・・。
実際、養豚場で丸まる太っているように見えるブタでも、体脂肪率は14~18%と、それほど高くないのが特徴です。
また、汚い部屋についても、実際の豚はとても清潔で綺麗好き。
ただ、生命力が強いことから、汚れた環境下でも生きていけることから、そんな風に言われるようになってしまったようです。
近年は学問の分野で、ブタの内臓の大きさが人間のそれに似ていることから。
異種間移植の臓器提供動物として注目され始めています。
食用としての特徴
猪の肉は昔から食べられてきた肉の一つです。
野性味あふれる味を好む人と嫌う人が極端に分かれる食材でもあります。
冬の定番料理である、イノシシの肉を使った牡丹鍋はあまりに有名。
他にも焼肉、チャンプルー、刺身などで食べられています。
一方、豚肉は言わずもがなの定番の肉。特に東日本で多く食べられています。
焼き肉用などに部位ごとに細かく分けて販売されています。
猪と豚の益害
野生の猪は時として農作物をあさり、被害が報告されることも度々。
獣害の中で、農林作業の被害面積や件数はシカに次いで2番目に多いのですが、被害額になると1番目になります。
これは、シカが森林や林近くに出るのに対し、猪は果樹や水田といった場所に出没するためと考えられています。
対策として電気柵や金属柵、ネットなどを設置しているところが多いようです。
また、山や里で猪に衝突され大けがをする人もいるそうで危険な面もあります。
豚の方は家畜ですから、特にこれといった害は報告されていないようです。
猪と豚の違いについてのまとめ
豚はもともとイノシシを家畜化したもの。
どちらも肉として食べられていて、猪肉はモミジ鍋として日本の冬を代表する食べ物になっている。
豚は綺麗好きな動物で、繁殖力と生命力に優れている。
猪の農業被害は深刻で電気柵やネットなどで対策がとられている。
どちらも突進する習性があり、豚でも人間に突進することがある。
以上、猪の豚の違いについてまとめてみました。
(ライター ナオ)