ガマガエルとヒキガエル、どう違うの?と聞かれるとどちらも馴染みのある名前だけに、あれ?と戸惑ってしまいませんか?
ガマガエルとヒキガエルの違いはどこにあるのでしょう?
ガマガエルとヒキガエルと
ガマガエルとヒキガエルは実は同じカエルです。
日本に生息するニホンヒキガエルやアズマヒキガエルの事を昔からガマガエルと呼んでいたようです。
ちなみにイボガエルもヒキガエルのこと。
ニホンヒキガエルは日本の鈴鹿山脈以西の近畿地方南部から山陽地方、四国、九州、屋久島に自然分布していて、アズマヒキガエルは東北地方から近畿地方、島根県東部までの山陰地方北部に自然分布しています。
どちらも体色は褐色、黄褐色、赤褐色などで白や黒、褐色の帯模様が入る個体もいます。
体側面に赤い斑点が入る個体が多く、背にも斑点が入る個体がいたりします。
ニホンヒキガエルは体長が17.6㎝、鼓膜は小型で眼と鼓膜間の距離は鼓膜の直径とほぼ同じです。
アズマヒキガエルは体長が6~18㎝で鼓膜は大型、眼と鼓膜間の距離よりも鼓膜の直径の方が大きくなっています。
ヒキガエルがガマガエルと呼ばれる理由
ヒキガエルにはガマガエルという呼び方の他にもイボガエル、『蟇蛙』、『蟇』、『蟆』、『蟾蜍(せんじょ)』などの呼び方があります。
この蟇という字がヒキとも読めることからガマガエルとヒキガエル、両方の呼び名がついたのではないかといわれています。
ガマの油
ガマの油はヒキガエルの皮膚から分泌される油汗のこととされていましたが、実際は植物のガマや馬油が使われていたと言います。
しかし、それとは別にヒキガエルの耳下腺分泌物には薬効があり、それを小麦粉で練ったものを強心や抗炎症などに用いていました。
ガマの油売り
ガマの油の正体はともあれ、江戸時代には「ガマの油」と称する軟膏が香具師によって各地で販売されていました。
この口上は今日まで伝承され伝統芸能となっていますが、流派や地方によって向上の内容は多少違いがあるようです。
現在は筑波山ガマ口上保存会が実演や講習などの活動を続けています。
ガマの油売りの口上
♪サアーサアーお立ち会い
ご用とお急ぎでない方はゆっくりと聞いておいで。
遠出山越え笠のうち、聞かざる時は物の白黒出方善悪がとんと分からない、山寺の鐘がゴーンゴーンと鳴ると言いども
童子来って鐘にしゅもくを当てざればとんとカネの音色がわからない。
サテお立ち会い
手前ここに取りいだしたるは筑波山名物ガマの油、ガマと申してもただのガマとガマが違う、これより北、北は筑波山のふもとは、おんばこと云う露草をくろうて育った四六のガマ、四六五六はどこで見分ける。
前足の指が四本、後足の指が六本合わせて四六のガマ、山中深く分け入って捕いましたるこのガマを四面鏡ばりの箱に入れるときは、ガマはおのが姿の鏡に映るを見て驚き、タラーリタラーリと油汗を流す、これをすきとり柳の小枝にて三七二十一日間、トローリトローリと煮つめましたるがこのガマの油。
全部わかる人は生き物マスター!いくつ知ってますか?よく似た生き物のまとめ~
この油の効能は、ひびにあかぎれ、しもやけの妙薬、まだある、大の男の七転八倒する虫歯の痛みもぴたりと止まる、まだある出痔いぼ痔、はしり痔、はれもの一切、そればかりか刃物の切れ味を止める。
取り出したるは夏なお寒き氷のやいば、1枚の紙が2枚、2枚の紙が4枚、4枚の紙が8枚、8枚の紙が16枚、16枚が30と2枚、32枚が64枚、64枚が一束と28枚、ほれこの通り、ふっとちらせば比良の暮雪は雪降りのすがた。
これなる名刀も一たびこのガマの油をつける時はたちまち切れ味が止まる、おしてもひいても切れはせぬ。と云うてもなまくらになったのではない、この様にきれいにふきとるときは元の切れ味となる。
サーテお立ち合い
この様にガマの油の効能が分ったら遠慮は無用だ、どしどし買って行きやがれ!
(ライター ナオ)