子供がおたまじゃくしを連れて帰ってきて、「家で飼いたい!」と言われた経験がある親御さんも多いかと思います。
または、童心に帰って自分でおたまじゃくしを育ててみたいという人もいるでしょう。
しかしどのようにして飼育したらいいのか…。
特に、おたまじゃくしは水道水で育てられるのか?塩素が入っていても大丈夫なのか?という疑問は、多くの人が感じることです。
そこで今回は、おたまじゃくしは塩素が入った水でも大丈夫なのかどうか、そして塩素が生体に与える影響などについて、まとめていきたいと思います。
なぜ塩素は水中の生き物に有害なのか
おたまじゃくしに限らず、金魚やメダカなどの水中生物を飼育する場合でも、「塩素が入っていても大丈夫なのか?」というのは良く耳にする疑問です。
金魚などの魚に対してはカルキ(塩素)抜きをしましょうというのが常識ではありますが、そもそもなぜ塩素が入っていてはダメなのでしょうか。
ご存知の通り、水道水に塩素が入っている理由は「消毒」のため。
塩素は水の中の汚れに反応して消毒してくれる働きがあるので、そのおかげで私たちは安心して水道水を飲むことができるのです。
しかしこの塩素からガスが発生した場合、肺の細胞を破壊して呼吸器に重大な影響を及ぼす恐ろしい性質があるということを知っていましたか?
身近なところでは、塩素系洗剤と酸性洗剤を混ぜると、とても危険なガスが発生する!と言われているのは良く知られていますね。
これが塩素ガスです。
塩素単体で液体のままならば、水道水程度の濃度では人体に影響はありません。
しかし、エラで呼吸をする魚の場合はそうはいきません。
魚は水の中に含まれる酸素を吸収しますから、水に塩素が含まれている場合、ダイレクトに呼吸器に取り込んでしまうということです。
それがどんな影響を与えるのかは、言わずもがな…。
塩素の入った水というのは、魚にとって毒ガスが充満しているのに等しい状態ということですね。
そう考えると、水道水が魚たちにとって悪影響というのも納得です。
おたまじゃくしは塩素の入った水でも大丈夫?
魚の場合に塩素が悪影響だと言うのは、前述の通り。
それでは、おたまじゃくしの場合はどうなのでしょうか。
魚類ではなく両生類ですし、同じ水中生物と言えども、魚とは違いがあるかもしれません。
しかし結論から言えば、おたまじゃくしにも塩素はNGです!
カエルになれば肺呼吸ですが、おたまじゃくしの間はエラ呼吸。
その影響は、おたまじゃくしも魚の場合と何ら変わりなく、悪影響だということです。
また、カエルまで成長した場合は水道水の塩素程度なら耐えられるという話もありますが、カルキ抜きをする方がベターです。
というわけで、おたまじゃくしを飼育する場合もしっかりとカルキ抜きした水を使いましょう。
カルキ抜きさえきちんとできていれば、水道水はとてもきれいで飼育に適した水です。
日当たりの良い場所では1日、そうでなければ2~3日も放置しておけば、カルキ抜きは完了です。
そんな時間はない!今すぐカルキ抜きした水が必要!という場合には、カルキ抜きの薬剤を水道水に入れて、中和してください。
カルキ抜きの薬剤は100均でも取り扱いがあるので、用意しておくと便利ですよ。
おたまじゃくしと塩素の関係についてのまとめ
やはり塩素というのは自然界の水の中にはない物質ですし、少量であれ水中生物にとっては影響の大きいものです。
おたまじゃくしはもちろんのこと、様々な水中生物を飼育する場合、カルキ抜きは必要な作業となります。
カルキ抜きの薬剤を使用すれば一瞬で中和できるので、そんなに手間もかかりません。
おたまじゃくしを飼育する場合には、しっかりとカルキ抜きをした水を使ってあげてくださいね。
(ライター もんぷち)