私たちのカエルの概念を超えたカラフルで奇妙な形のカエルたち。
遠い南米やアフリカには実に多くの種類のカエルたちが存在し、そんな異国のカエルたちはとても魅力的でもあります。
爬虫類や両生類人気に伴って飼育している人も増えているという人気のカエルについてまとめてみました。
アカメアマガエル
名前から何となく想像もつきますが、アカメアマガエルは赤い目が強烈なインパクトを与えるアマガエルです。
野生ではメキシコ南部から中央アメリカ、南アメリカの北部に分布し熱帯雨林や二次林に生息しています。
強烈な目の色はほんの一瞬でも敵にショックを与えて食べるのをためらわせるためと言われています。
欧米では昔からペットとして親しまれていて、人気のポイントは愛らしいルックス。特に女性からの人気が高いのですが夜行性の為夜しか活動しているところは見られません。
飼育の難易度は樹上性のためやや高め。飼育容器内に観葉植物などを鉢ごと入れたり、昼間と夜間の温度を変化させ通気性の良い状態を保つ必要があります。
アフリカウシガエル
アフリカウシガエルはまるでつきたてのカビの生えた牡丹餅のような風体をしたカエルです。
アフリカ大陸南部に分布し、サバンナに生息しています。
人気の秘密はこんな風体ながらしっかりと懐いてくれることと触ってかわいがることができるということ。
変温動物であるカエルに人間が長時間触っても害がないカエルはそう多くはありません。まるで猫のようなにかわいがることができるのは温度をそう簡単には通さないゴツゴツした皮膚のおかげです。
飼育の難易度はそれほど高くなく、エサも選ばずに人工飼料で育てられたり、温度が下がりすぎないように注意すれば元気に育ちます。
アフリカツメガエル
5本の後肢の指のうち親指から中指に当たる部分がまるで爪のようにとがった形をしているのがどこか奇妙なアフリカツメガエル。
南アフリカ原産ですがアメリカ、イギリス、イタリア、インドネシア、チリ、フランス、日本、メキシコなどへ移入、定着しています。
主にアロワナなどの肉食魚やヘビのエサとして販売されていたり、繁殖や飼育が簡単なので実験動物としても良く使われていますが独特のキモ可愛さからペットとしての人気も上々です。
飼育は容易ですが脱走防止のために蓋をしておく必要があります。エサは熱帯魚用のもので代用がきき、多頭飼育なども問題ありません。
アマガエルモドキ
モドキが異常に気になるアマガエルモドキ。
何がモドキなのかというと目の向きが通常のアマガエルと違って前方についていること、そして皮膚が半透明なので内臓が外から見えるということ。
一見アマガエルのように見えてひっくり返すと全く別物だということがわかります。
メキシコやエクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ギアナに分布し森林内の植物に生息しています。
人気のポイントはモドキの所以である目の位置。
人間でもそうですが、目の位置が少し変わるだけで顔の印象は大きく変わります。
目が前方についているだけでアマガエルモドキは現実を離れたアニメのキャラクターのような存在になり、更に犬猫が服従する時腹を見せるかのように、内蔵を丸見えにしている点も可愛さを増幅させているのかもしれません。
飼育の難易度は高くなく、アマガエルの飼育と同じようにします。湿度の高い環境を好むので観葉植物などを飼育ケースに入れて湿度を保つようにします。
イエアメガエル
イエアメガエルはオーストラリアをはじめインドネシア、パプアニューギニアなどに分布し草原や森林内の樹上や地表に生息しています。
人気のポイントは成長と共に皮膚が垂れ下がってポテっと丸くなる独特の体型。更に吸盤が大きく手が可愛いのも特徴で、慣れてくればスキンシップをとれるというのも醍醐味です。
飼育は比較的簡単で脱走に気を付けることと通気性の良いケースを使用すること、大食いなのでエサをたっぷりと用意することがポイント。
ウシガエル
ウシガエルはアメリカ合衆国東部・中部、カナダ南東部、メキシコ北東部に自然分布し、池や沼などの水の流れのない場所を好んで生息しています。
日本には外来種として定着していますが、特定外来生物に指定されていて日本では飼育することはできません。
かつては食用として養殖されていたこともあり、味は鶏肉のささ身に似ていると言われていますが近年はゲテモノ料理として食べられるくらいです。
グラスフロッグ
グラスフロッグはベネズエラ、コロンビア、エクアドル等中南米や南米に分布し、熱帯雨林の温度の高い高地の川の源流に近い所に生息しています。
人気の秘密はやはりガラス細工のような透明感のある身体と目の位置が前についていること。
セサミストリートの人気キャラクター張りの愛嬌のある表情は思わず飼育ケースの中でしゃべりだしそうです。体が透明なのは自然界でより自然に同化しやすくするためだそう。
飼育は比較的簡単で日本のアマガエルのように飼育します。
クランウェルツノガエル
世の中の流れは完全にヘルシーな食生活とスリムなボディーへと流れているのに、ペットにはぽてっとした可愛らしさを求めてしまうのは、一種の反動なのでしょうか。
クランウェルツノガエルのもまたぽてっとした体型が可愛らしい人気のカエルで、南米の700m以下の半砂漠地域やチャコ帯に生息しています。
人気の秘密は目の上の特徴的な角と様々な模様や色をした種類が存在しているということ。値段も手ごろで飼育もしやすいのでカエル飼育初心者のかたにもおすすめです。
地表性なので観葉植物のような木をケース内に入れる必要もありません。
ニホンアマガエル
ニホンアマガエルは名前の通り日本、朝鮮半島、中国東部まで広く分布し、水辺の植物の上や森林などの樹上に生息します。
可愛らしい外見なのはともかく、小さい頃から馴染みがあるというのも人気の秘密です。オタマジャクシからカエルになる様子を観察したことがある人も多いのではないでは?
飼育は本来日本に生息しているカエルなので比較的簡単です。十分に動き回れる広さと高さがあるものを用意し、観葉植物などをケース内に入れてあげると良いでしょう。乾燥よりも高湿度に注意!
ネコメガエル
名前の通り目がまるで猫のような形状のカエル。明るい所では目を細め、暗い所では真ん丸の目になるのが特徴です。
種類によって生息域は違いますが主に南米に分布し、森林に生息する樹上棲のカエルです。
人気の秘密は目を万マルクさせた時に可愛らしさでしょうか。
飼育は難しく、決して初心者におすすめできるカエルではありません。
何より輸入されてきた時点で体のあちこちに外傷のある場合が多く、そのまま体調を崩して簡単に死んでしまう例が多く報告されています。
飼育する場合は湿度を高く保ちますが、風通しはよくしなければなりません。朝晩しっかりと霧吹きをするようにします。
バジェットガエル
バジェットガエルは一見するとまるでツルっとした石のようなカエルでアルゼンチンやパラグアイ等に分布し、標高200m以下のチャコ地帯と言われる泥や干潟に生息しています。
和名をマルメタピオカガエルといい、大きなタピオカを連想させる風体と水面から目だけを出して様子を窺う様が可愛らしいと人気があります。
飼育の難易度は中程度。水槽内の清潔を心がけ、乾燥にも注意します。丸みを帯びた体が可愛らしいからといって沢山エサを与えて太らせようとすると体に負担がかかってしまうので注意が必要です。
ヒキガエル
ヒキガエルは大きくニホンヒキガエルとアズマヒキガエルの2種の亜種に分類されていて、いずれも日本の固有種で低地から山地にある森林やその周辺の草原などに生息しています。更に農耕地や公園、民家の庭などにも広く生息しています。
ヒキガエルの人気の秘密は無闇に跳ねたりしない安定感、そしてカエルとしての体のバランスの良さなどが挙げられます。
飼育は比較的簡単で乾燥にも強いので湿度の管理はほとんど必要ありませんがケース内は常に清潔に保つようにしましょう。
フクラガエル
つきたてのお餅を通りこしてまるで饅頭のような風体のカエル、フクラガエル。別名をバルーンフロッグなどという程真ん丸なカエルです。
アフリカ南部に分布していて乾燥した砂漠の砂地に穴を掘って生息し、雨と共に地上に出てくる生活をしています。
目が前面にある可愛らしさと危険を感じた時に空気を吸い込んで風船のように膨らんで自分の存在を大きく見せる習性が人気です。
飼育はポイントを押さえて行うことが重要。穴を掘って生活するのである程度の深さのある土を用意し、冬の寒さ対策が必要です。
お腹がすくと地表に出てきてウロウロしだしますが基本的には土にずっと潜っているようです。
ベルツノガエル
ベルツノガエルはアルゼンチンやブラジル、ウルグアイなどに分布しパンパと呼ばれる土質の超えた草原地帯に生息し、雨季に活発に活動し、乾季は土の中で休眠して過ごします。
奇抜な色をしていますが外見とは裏腹なおっとりした性格で、特徴的な目の上の角状の突起が目立たないので全体的にずんぐりむっくりしています。
飼育は簡単で飼育ケース内には基本的に水だけで大丈夫。後は冬季と夏季の温度管理のみです。アクアリウムなどで飼育するとストレスを軽減できると言われています。
ヤドクガエル
ヤドクガエルは北アメリカ南西部や南アメリカ、ハワイに分布し種類によって沼や川に生息しているものや、樹洞や着生植物などの中に生息しているもの等がいます。
グリーンの体に黒の斑紋が何ともエキゾチックな雰囲気を醸し出し、更に鳴き声がまるで虫の声のように風流に聞こえることが人気の秘密です。
飼育しやすい種類は地表棲のマダラヤドクガエルやアイゾメヤドクガエル等で、樹上棲の種類はビバリウムなどで飼育するようにすると良いでしょう。
人気のカエルたちのまとめ
いかがでしたでしょうか。
飼育に挑戦してみたいカエルや心奪われてしまったカエルはいましたでしょうか?
飼育まではちょっと‥という方もぜひ動物園や水族館などで異国のカエルを見かけたらそっと覗いてみて下さいね。
(ライター ナオ)