ウシガエルを飼育したい人はいるのでしょうか?
当たり前のように見かけるウシガエルでが、飼育する前に知っておいた方がいいこともあるみたいですね。
ウシガエルについて
別名食用ガエルとも呼ばれるウシガエルは、鳴き声が牛に似ていることからウシガエルと呼ばれます。
もともとはアメリカ東部、中部、カナダ南東部などに生息するアカガエル科のカエルです。
大きさは111mm~183mm程度、重量は140~183gと大きいカエルです。
池や沼などの水の流れのない場所を好み、ウシガエルの成体は年間通してみられます。
夜行性で、臆病でもあります。繁殖期の5~9月になると、オスのウシガエルは鳴き声を出し交尾が行われ、池の水草などにウシガエルのメスが産卵します。
卵が孵化するとおたまじゃくしの状態で越冬します。
ウシガエルのおたまじゃくしは大きいものだと15cmにもなります。
肉食で、動くものならなんでも食べます。
アメリカザリガニの他、魚や小鳥、他のカエルなどを食べます。繁殖力がきわめて強いカエルです。
ウシガエルの体色は、環境により変わります。
緑系や茶系がよくいる気がしますが、変温動物でもあるウシガエルは、気温が低くなると太陽の熱をとりこもうと体色を黒っぽくするといわれます。
実は国内でウシガエルを飼育することはできません。なぜでしょうか?
なぜウシガエルは飼育できないのか
ウシガエルは特定外来生物に指定されています。そのため、生きたまま移動させたり、飼育することは法律違反になります。
ウシガエルが特定外来生物になったのにはいろいろわけがあります。
環境省が制定する法律に外来生物法という法律があります。主に日本の生態系、農業、人体等に悪影響となることが懸念される生物の飼養、栽培、保管、運搬、輸入を制限する目的とした法律です。
そのため問題を引き起こすとされる海外起源の外来生物の取り扱いを制限しています。
ウシガエルはいまや全国に生息する日本にいるカエルの中では最大種でありながら、ウシガエルを飼育したり、生きたまま運ぶことは禁止されています。
ウシガエルは珍しくもないカエルですが、もし珍しい生物をペットとして飼育したい場合、そのことが日本国内において合法なのか確かめておくべきであるということになります。
輸入する場合、所定の書類が揃っていないと違法になることもあります。
珍しい生物を飼育したい場合気をつけましょう。
ウシガエルが特定外来生物になったのは、2006年だそうです。
2015年には生態系被害防止リストに入りました。
また、特定外来生物には生きているもののみが含まれ、ウシガエルの場合はその卵・幼生(おたまじゃくし)・成体を飼育することは禁止です。
また、一般人が特定外来種の駆除を行いたい場合も、いろいろなマニュアルが指定されています。
ウシガエルの歴史
ウシガエルは1918(大正7)年に、動物学者によりアメリカから日本に輸入されました。
ウシガエルは人為的に持ち込まれた外来種です。
タンパク源になることを期待されて輸入されたようです。
数年後にはウシガエルの養殖に成功し、民間でもウシガエルの養殖場がつくられました。
養殖されたウシガエルはアメリカに輸出するまでに数が増えるようになり、一時は日本の輸出品の一部でもありました。
1940年代になるとアメリカとの交易は当然途絶えます。
ウシガエルの養殖、輸入、食用などに関する事はすっかり忘れられました。
今では日本各地に繁殖しまくるウシガエルが残されています。
あまりに強い繁殖力から、ウシガエルはもともの日本にいた水辺の動物などを食べ、生態系に影響を与えるまでになってしまいました。
今では世界の侵略的外来種ワースト100、日本の侵略的外来種ワースト100というものに堂々とランクインしています。
もともと生息していた地域より生存競争が低く餌も多く、カエルにしては温度変化にも強いといわれるウシガエルにとっては住み心地が良いのでしょうか。
ウシガエルについて
現在の日本の法律では、ウシガエルを生きたまま飼育することは禁止です。
何か生物を飼育する場合は、飼育方法以外にも気にした方がいい場合もあるようです。
(ライター:おもち)