アマガエルモドキは名前の通りアマガエルに似ているカエル。
ところがどっこい!!似ているのは表だけ!!??
アマガエルモドキの生態
アマガエルモドキはメキシコやエクアドル、コロンビア、ベネズエラ、ギアナなどに生息しているアマガエルモドキ科のカエル。
体長は32㎜程で目が前方についていて、丸い吻と半透明の体が特徴です。
手足は大きく、木登りに役立つ吸盤が発達しています。
鼓膜がありますが、外からは見えないようになっています。
夜行性のカエルで日中は木の葉の裏や水面上にいたりして静かにしていて、夜になると活発に活動します。
繁殖期になるとオスは葉の上で鳴き、メスを呼びます。
アマガエルモドキのオスは攻撃的な面を持っていて、縄張り内に別のオスが入ってこようとすると、それを腕力で阻止しようとする一面を持っています。
メスは葉の上で産卵。
一度の出産で30個ほどの卵の入った塊を産み落とします。
卵は孵化するまで地上の葉の上にあり、孵化する時にオタマジャクシが水辺に滑り落ちていくという仕組み。
水辺の昆虫からの捕食を逃れるための方法だと考えられています。
ガラスフロッグとも言われる透明な体
アマガエルモドキの属するアマガエルモドキ科のカエルは体の縁周りとお腹部分が透明になっています。
ガラスの上に載ったカエルを下から見ると、内臓や血管がまるでレントゲン写真のように丸見えです。
このことから、英語ではグラスフロッグと呼ばれています。
アマガエルモドキも一見アマガエルのように見えるのですが、ひっくり返してみるとまるで別物だということが一目瞭然というわけ。
1972年にエクアドルで発見されたグラスフロッグは現在150種類ほどいると言われており、その大きさは2~7㎝ほどと皆小さいのが特徴です。
そのため、ウシガエルのような捕食者としての要素はなく、どちらかというと捕食される側のカエル。
このように体が透明になった理由も、より周囲の環境と一体化して捕食を逃れるための進化、と考えられているのです。
夜行性のアマガエルモドキは、夜になると更に闇と一体化して周囲に溶け込んでしまい、まるで忍者??
アマガエルモドキの可愛さのというポイント
内臓が見えてしまうという、ちょっと考えると、可愛いというよりはグロテスクな面を持っているアマガエルモドキ。
そんなアマガエルモドキが可愛いと人気なのは、眼の位置が最大のポイントのよう。
先述しましたが、アマガエルモドキの目は顔の前面についています。
普通のアマガエルの目が顔の両脇についているのに対し、前面についているアマガエルモドキはアニメのキャラクターやぬいぐるみを連想させるような顔つきをしています。
そう、セサミストリートに登場するカ―ミットのような、愛嬌たっぷりの表情をしているのです。
また、大きさにもポイントがあります。
内臓が透明でウシガエルのような大きさがあれば、例え目が前面についていたとしても決して可愛くはありませんよね?
きっとグロテスクな生き物として取り上げられてしまうはず。
アマガエルモドキの可愛さは目の位置と大きさ、そして何となく内臓を透けさせちゃっているような服従感にあるのだと、勝手に推測するわけです。
アマガエルモドキのまとめ
アマガエルモドキはメキシコ、エクアドル、コロンビア、ベネズエラに生息するカエル。
体に透明感があり、腹部分からは内臓や血管が丸見え。
見かけによらずオスは攻撃的な一面を持ち、縄張り内に入ってくる別のオスを腕力で追い払う。
産卵は葉の上で行われ、孵化すると同時にオタマジャクシが川に落ちるようになっている。
英語ではグラスフロッグと言われて親しまれており、ペットとして可愛がる人もいる。
(ライター ナオ)