まるでお風呂に浮かべて遊ぶゼンマイ仕掛けのオモチャのような、お腹がスケスケのグラスフロッグ。
その名前の通りガラスのようなカエルなんです!
グラスフロッグって?
グラスフロッグはベネズエラ、コロンビア、エクアドルなど中米、南米の熱帯雨林の湿度の高い高地に生息しています。
川の源流に近い草木のある場所にひっそりと棲んでいて、体長は2㎝ほどしかないちっちゃなカエルです。
アマガエルモドキ科に属し、表を向いて葉に静止している姿はアマガエルにそっくりですが、一旦ひっくり返れば、内臓が丸見えの驚きの姿を現します。
人間が踏み入ってこなかった未開の場所で独自に進化してきたカエル。
大きいものでも7㎝ほどしかないそうで、熱帯雨林の中では捕食される側になってしまうため、このように体を透明化させることによって環境の中に溶け込むように進化したのではないかと考えられています。
グラスフロッグの生態
グラスフロッグは普段、熱帯雨林の植物の比較的高い位置にある、葉に同化するように暮らしています。
夜行性で、エサを求めて動き回るのは真っ暗な闇の中が多いようです。しかし、摂食よりも休息することを好むので、活発に動き回ることはあまりないようです。
繁殖期には水辺の葉に産卵し、その後卵が自然に川に落ちていって水の中で孵化します。少しでも水の中の敵に卵を食べられないための方法だと考えられています
グラスフロッグの種類
グラスフロッグは1872年にエクアドルで発見されたのが最初で、それから現在まで150種類ほどが確認されています。中南米だけでなく、アフリカでもその存在が確認されているそうです。
2015年に40年ぶりに新しい種類が発見されたことで、再び話題になりました。皮膚の質感や色合い、それと鳴き方が今までのものと違うということで新種に認定されたとか。
2010年に発見されたゴーストグラスフロッグというカエルは目がマーブル色をしている一見奇妙な感じもするグラスフロッグです。
葉の色に合わせて微妙に体の色も変え、敵に発見されにくく葉に擬態する能力も持っています。
きれいに見えるグラスフロッグの内臓
グラスフロッグをひっくり返してみると、それはそれは見事に内臓が映し出され、その位置を確認することができます。
解剖実験なんかいらないほど。
まず、肝臓や消化器系は白い腹膜で覆われていて、その部分は白く見えます。
心臓と内臓は血の色ですからきれいな赤に。
肺は透明なので、透けて見えますが、そこを通っている血管は細いですが、うっすらと赤く見えます。
濁って黄色っぽくなっているのは胆のうです。
当たり前と言えば当たり前なのですが、小さい体にしっかりと必要な臓器が収まっていることが確認できるんです。
もし、大型の動物がこんな風にお腹部分が透き通っていたら‥‥と考えるととてもグロテスクですが、2㎝ほどの小さなカエルのお腹だと、それはまるで成功につくられた芸術作品のような、機械仕掛けのオモチャのような気もしてくるから不思議です。
夜行性のグラスフロッグはお腹が透明な分、夜の暗闇の中に、より深く一体化することを可能にし、ここまで生き延びてきたのです。
ほとんどの昆虫は大丈夫なのに、なぜかカエルのぷよぷよとした白いお腹だけが極端に苦手な私にとっては、グラスフロッグは衝撃的な存在!
世の中のカエルがみんなグラスフロッグだったら、私も唯一苦手なカエルを克服できるのにと思ったりします。
あああ・・・でも大きいカエルはやっぱり無理かな。ウシガエルのお腹がすけていたら…
おえっ・・・・・・想像しただけで倒れそう。
ちなみに、SNSではグラスフロッグ、生きたカ―ミットと呼ばれているとか。
気になる人はセサミストリートをチェックです!
(ライター ナオ)