世界で最も美しいカエルと言われるカエル、コバルトヤドクガエルをご存じだろうか?
コバルトブルーに輝く熱帯雨林に生息するヤドクガエルの一種。
生まれ変わったらこんなカエルも悪くない!?
コバルトヤドクガエルって?
コバルトや毒がケルは南アフリカのスリナムなどに生息しているヤドクガエルです。
体長は30~45㎜ほど。目を見張るような鮮やかな青色がとてもきれいなカエルです。
背中部分には黒い斑点のような模様がついていて、体側部分にかけてパステル調のブルーに変化する個体もあり、それはそれはきれいなのだとか。
コバルトヤドクガエルの生態
コバルトヤドクガエルは森林の渓流に生息しています。
昼間、熱帯雨林特有のスコールの後などに活発に活動し、地上で小さな虫、アリやシロアリなどを捕食しています。
繁殖期は南アフリカのスリナムでは2~3月。一度に5~10個ほどの卵を産むそう。
日本のアマガエルなどと比べると、その数は100分の1ほどということになります。
メスによって産み落とされた卵は、孵化するまでオスが卵を抱卵します。
2週間で孵化し、オタマジャクシになると、オスはそのオタマジャクシを背中に乗せてアナナスというパイナップルの一種である植物の中心部に溜まる水たまりまで運びます。
より安全な場所を考えた時の結論が植物の中ということだったのでしょう。スコールのある熱帯雨林ならではの場所です。
その後、10~12週間をかけて変態し、84~102日で成体に成長するコバルトヤドクガエルは2年で生成熟を迎えます。野生の状態での寿命は4~6年ほど。
天敵は蛇や鳥などと言われていますが、毒を持っている為、その真意は定かではないようです。
コバルトヤドクガエルの毒
ヤドクガエルはもともと矢を打つときにカエルの皮膚からとった毒を矢の先端に塗って使ったことから名づけられた名前ですが、コバルトヤドクガエルにももちろん毒はあります。
皮膚にアルカロイド系の毒を分泌する無数の腺があり、相手を麻痺させたり、時には殺してしまうことができるほどの強い毒なのだそう。
人間でも摂取すると甚大な被害を被るほど。
鮮やかなコバルトブルーの色合いは警告色という意味合いが強いのだとか。
ただ、この毒ももともとカエルが持っているではなく、捕食するアリに含まれる毒と考えられていて、飼育下でエサを変えるとほとんど毒は確認されないそうです。
コバルトヤドクガエルの飼育
これだけの綺麗なカエルですから、動物園での展示はもちろん、個人的に飼育している人も沢山いるようです。
飼育するときの最大のポイントは水槽内の環境をいかに維持できるかということ。
熱帯雨林のうっそうとした湿度の高い環境を水槽の中に再現しなければなりません。
カエルの飼育の場合、その水槽のことをビバリウムというそうで、水槽の大きさは45×60㎝程度。
網のフタは必須で、昼行性なので紫外線の少ない蛍光灯の光を定期的に当てる装置も必要のようです。
タイマーをセットすることでその環境を整えます。
また、スコールの後に活発に活動するので、定期的にスコール後のような環境を作ることも必要になってきます。
霧吹きやシャワーなどでビバリウムの湿度と温度を一時的に上げると、積極的にエサを食べるようです。
エサは、自然界ではアリですが、コオロギでも良いそう。
日本のアマガエルは飼育すると、人になれるまでになかなかエサを食べないそうですが、コバルトヤドクガエルは、何の躊躇もなく、与えたエサをすぐに食べるのだとか。
よっぽどいつも腹ペコなのか、生命力が強いのか。
飼育環境が良ければ寿命は10年以上だそうです。
動物園で見られるコバルトヤドクガエル
コバルトヤドクガエルは日本の動物園でも多く飼育されています。
札幌の円山動物園や東京の上野動物園などでも、コバルトヤドクガエルの綺麗なブルーの姿を見ることができます。
お近くの方はぜひ足を運んで、「世界一美しいカエル」を拝んでみてくださいね。
(ライター ナオ)