斑矢毒蛙。
漢字で表記すると凄みがでますね。
ヤドクガエル科ヤドクガエル属のマダラヤドクガエルです。
マダラヤドクガエルあれこれ
その名の通り、体にマダラ模様のあるヤドクガエルです。
体色は様々。
茶系もあれば、ブルーもいます。
体長は2~4cmほどで、コスタリカにはグリーンのマダラがいるらしいですね。
英名はgreen and black poison flog。
生息地はコスタリカ、パナマなど中南米の熱帯雨林地域です。
黒い模様の部分が大きいものは、毒々しさが増す感じがします。
模様もそれぞれ違いますから、お気に入りの模様のマダラヤドクガエルを飼ってみたくなるのかも知れませんね。
飼うならマダラ?マダラヤドクガエルと暮らす
ショウジョウバエやコオロギなどの生きた餌を様子を見ながらマメに与え湿度管理もして、ビバリウムを作って、とあれこれ環境を整えているのはすごい、のひとことです。それも含めて楽しいのでしょうね。
マダラヤドクガエルはあまりに湿気が強いと体に障るそうなので、少し空気を入れた方がいいらしいですね。
見た目の模様がいかにもヤドクガエルっぽく、性質も穏やかでヤドクにしてはわりと大きくなるので環境変化に比較的強いことなどから飼育も比較的楽とされており、人気があるようです。
飼育下では長生きするそうで、昼行性です。
生息地での餌を食べていない場合、毒性はないとされているものの、皮膚には毒腺がありますからむやみに背中を触るのはやめた方がよさそうです。
また、彼らはデリケートな存在なのでぞんざいに扱うのはよくありません。
マダラヤドクガエルの鳴き声
ごく普通の日本のカエルがゲゴッと鳴くのは聞いたことがありますが、マダラヤドクガエルは鳴き声を出すのでしょうか。
出すとしても体が小さいので、よく聞いていないと気づかないかも知れません。
マダラヤドクガエルのオスは求愛の時に鳴き声を出します。
鳴き声から発見されたヤドクガエル科のカエルがいます。
ペルーに生息するらしいAmeerega shihuemoyという、黒い体色に背中のオレンジ線が特徴のカエルです。
専門用語、モルフ
マダラヤドクガエルの特徴の色彩型をモルフというらしい。
爬虫類や両生類が好きな方たちの間では専門用語として使われているみたいですね。
何やら通っぽい感じです。
両生類の不思議なところ
毒ばかりがクローズアップされるヤドクガエルたちですが、そういえば彼らは両性類です。
カエルは無尾目。
むびもく、と読むそうです。
特徴としては、分泌腺を持ち皮膚にぬめり気があること、エラ呼吸をする時期があること、卵に羊膜がないこと、四肢を持つことなどがあげられます。
有尾目にはイモリやサンショウウオなどがいます。アカハライモリなど、イモリにも毒をもつといわれている種がいます。
もしかしたら両生類たちは生きる術として、毒を持ちがちなのかも知れません。一種の処世術のようなものなのでしょうか。
個人的なカエルに関する体験と、生き物の動き
ヤドクガエルについての体験は乏しいので、恐縮ながらカエルに関するエピソードなど。
数年前に札幌市の円山動物園に行った際、偶然ガラス越しにカエルの交尾を見ました。
春でした。
ヤドクではなかったと思いますが。
3匹のカエルを何となく眺めていたら、1匹がもう1匹に飛び乗り、交尾を始めました。残った1匹は、動きらしい動きもありませんでしたが、やや動揺していたような気がします(気のせいかも知れません)、時折目のあたりがぴくっとしていたので。
その時気になったのは、彼らが交尾を始める一瞬前くらいに、自分が「あっ!」と思った事です。
3匹のカエルには特にこれといった動きもなかったのに、予感のようなものがありました。不思議です。
しかし人に話すとものすごく盛り上がりません。
話が地味なのでしょうか。もしくは話題として不適切なのか。
この話のポイントは、交尾を見た事よりも出来事が起こる前の勘のようなものなのですが、それが一体どこからやってきたのか気になるのです。
推測の域を出ませんが、カエルを飼っている人はこの一瞬前の「あっ!」という不思議な体験を何度かしているのではないかと思います。
彼らは体も小さく、犬や猫のようにくっついて甘えてくることは殆どない生物ですが、じっと見ているとおそらく何かが分かるようになるのでしょう。
今度円山動物園に行くことがあったら、ヤドクガエルたちに注目してみます。生き物たちの動きを見ていると、思うところがあり面白いですね。
(ライター おもち)